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ブロードコム、ビシーム買収を発表 - 4G対応チップの開発加速へ

2010.10.14

Updated by WirelessWire News編集部 on October 14, 2010, 16:14 pm JST

Broadcom
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無線通信用チップ大手のブロードコム(Broadcom)は米国時間13日、米新興チップメーカーのビシーム・コミュニケーションズ(Beceem Communications:以下、ビシーム)を約3億1600万ドルで買収すると発表した。ブロードコムでは、ビシームの持つWiMAXとLTEの双方をサポートする技術を取得することで、次世代通信網(4G)に対応するチップの投入を急ぐ。

世界各地で4G網の展開が本格化するなかで、米国ではすでにLTE方式を採用するメトロPCS(MetroPCS)がラスベガスおよびダラスで商用サービスを開始。また携帯通信最大手のベライゾン・ワイアレス(Verizon Wireless:以下、ベライゾン)は先頃、今年中に米国の38都市でLTEの提供すると発表していた。いっぽう、WiMAX陣営のスプリント・ネクステル(Sprint Nextel:以下、スプリント)ならびにクリアワイアー(Clearwired)も今年に入って一部の大都市圏でサービスを提供し始めている。

こうした流れを受けて、無線通信チップ分野でも動きが活発化しており、8月末にはインテル(Intel)が独インフィニオンの無線チップ部門を買収すると発表。また複数の通信方式に対応するマルチモード・チップ技術については、クアルコム(Qualcomm)でも今月初めに開発を進めていることを明らかにしていた。

今回の買収発表に関して、ブロードコムでは「(これまで社内で小規模に行っていた)4G対応チップの開発を加速させるため」(同社モバイル・プラットフォーム・グループのゼネラルマネージャ、スコット・ビバウド(Scott Bibaud)氏)とコメントしている。同社ではすでにWi-FiやBluetoothのほか、3Gネットワークに対応するチップも手がけているが、今後大きな成長が見込まれる4G分野についても、LTEおよびWiMAXに対応するビシームの技術を活用して対応を進めたい考えと見られる。

いっぽう、インテルやクリアワイアーなどWiMAX陣営の主要プレイヤーのほか、NECやサムスンらも出資するビシームは、すでに400万個を超えるWiMAXチップを出荷するなど、同分野で大きな市場シェアを握っている。ただし、4Gネットワークの趨勢がLTEに傾くなかで同社の事業には成長の余地について疑問符がつき始めていたと、Wall Street Journalの記事は指摘している。同社ではこうした流れを受けて、LTEとWiMAXの両方に対応するマルチモードチップを今年2月に発表し、業界内の注目を集めていた。

なお、ビシームは4月には株式公開の申請書類を提出していた。今回の売却発表で、この可能性が消えたことに関しては、「株式公開が望ましいのはもちろんだが、時にはより確かな選択肢を選ぶほうが正しい」(同社の出資者であるグローバル・カタリスト・パートナーズ(Global Catalyst Partners)のカムラン・エラヒアン(Kamran Elahian)会長が)と理解を示す声がある一方、 「市場が確立するまで待ったほうが、より高い価格で売却できたはず」(ビシームと競合するチップメーカー、アルテア・セミコンダクター(Altair Semiconductor)共同創業者エラン・エシェド(Eran Eshed)氏)との指摘も出ている。

【参照情報】
Broadcom aims for LTE and WiMax 4G with $316M Beceem acquisition - VentureBeat
Broadcom to Buy Beceem in a Bid for 4G Dominance - GigaOM
Broadcom Buys 4G Chip Maker - Wall Street Journal
Beceem Opts For Broadcom Buyout Over IPO - Digits (WSJ)
Qualcomm's next mobile chips will contain radios for every wireless spectrum - VentureBeat

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