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ベライゾン、第3四半期決算 - スマートフォン販売好調も携帯電話契約者純増数が半減

2010.10.25

Updated by WirelessWire News編集部 on October 25, 2010, 14:25 pm JST

Verizon | Investor Relations
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米国第二の電話会社であるベライゾン・コミュニケーションズ(Verizon Communications、以下ベライゾン)が22日(米国時間)、第3四半期の決算を発表した。携帯通信部門ベライゾン・ワイアレス(Verizon Wireless)でスマートフォンの販売が好調でデータプラン加入者を伸ばしたことから、全体の売上はアナリストの予想を上回った。一方、携帯電話契約者の純増数は前年同期に比べて半分以下となった。

同期の売上は265億ドル(前年同期比2.9%減)となったが、前年同期の売上には固定回線事業をフロンティア・コミュニケーションズ(Frontier Communications)に売却した約14億分ドルが含まれており、その分を除くと増収となる。また、利益は8億810万ドルとなり、前年同期の11億800億万ドルからは減収、一株あたり利益は31セント(前年同期は41セント)となり、アナリストらの予想していた54セントを上回った。

事業別では、ベライゾン・ワイアレス(Verizon Wireless)の売上が163億ドル(前年同期比6%増)となったいっぽう、固定電話事業などの有線通信事業の売上は103億ドルと前年同期から3.6%の減少した。

同期の携帯電話契約者の純増数は58万4千人と前年同期の130万人の半分以下となり、ライバルのAT&Tの74万5000人を下回った。一方で「Droid」ブランドのAndroid OS搭載端末を筆頭にスマートフォン利用者が増加、データプラン契約者の増加で、利用者の平均月額利用料金(ARPU)は18.61ドルと前年から19%上昇した。また、有線通信の事業も固定電話に関しては減少しているものの、ベライゾンが多額の投資をしてきた光ファイバー回線の契約者は光回線を利用したテレビ利用者が20万4000人、インターネット利用者が22万6000人とそれぞれ増加し、同事業の収入のうち42%を占めた。

ベライゾンは今年から来年にかけて第4世代のLTE(Long Term Evolution)ネットワークを、ボストン、ニューヨーク、ワシントンやマイアミなど主要な都市を含む38都市で導入する予定。また正式には発表されていないものの、来年初めには、これまでAT&Tが独占的に販売してきたアップル「iPhone」に関し、ベライゾンが取り扱いを開始する可能性も高まっている。一部のアナリストの予想によれば、ベライゾンのネットワークに対応するiPhoneが売り出された場合、最大で900万件の加入者が見込まれるという。

なお、第3四半期末時点の契約者総数は、ベライゾン・ワイアレスが9320万人に対し、T&Tは9280万人と、ほぼ拮抗しつつある。

【参照情報】
Verizon Lags in Wireless - Wall Street Journal
Verizon Profit Falls as Customer Growth Slows - New York Times
Verizon Profit Beats Estimates as Smartphone Popularity Grows - Bloomberg
AT&T Adds Handsets, Retrains Staff as End of IPhone Hold Looms - Bloomberg

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