MIYOWAは、「InTouch 5」というソーシャル・ダッシュボードとソーシャル・アドレスブックを展開しているフランス企業。ソーシャル・ダッシュボードはスマートフォン画面に複数のソーシャル・サービスを一元表示し、ソーシャル・アドレスブックはコンタクト相手がどのメディア（IM、Facebook、Twitterなど）に登録していて、どのメディアでオンラインにあるかどうかを表示してくれる。

対応プラットフォームはAndroid、iPhone、BlackBerry、WP7、Symbian、BREW、Javaで、各国の通信キャリアや端末ベンダーと提携しているが、アジアではシンガポール（SingTel）程度で主に欧米に注力しているそうだ。複数のソーシャル・ネットワークを１つのアプリの画面に表示するということなら、ほかにもHipLogicなど何社かやっているが、MIYOWAは自社ゲートウェイをクラウドに持って、複数のソーシャル・ネットワークのAPIを叩いてデータを取得し、さらにそのデータを圧縮している。このため、端末が個々のソーシャル・ネットワークに別々にアクセスするよりも格段に使用帯域が狭くて済み、ユーザは快適にTwitterやFacebookの最新情報を得ることができるそうだ。

端末ベンダーからすると、シングルタスクで複数アプリを操る際にユーザに与えてしまうストレスを軽減でき、別々のアプリを立ち上げて操作されるよりもバッテリー消費を抑えることが可能だという。

通信キャリアから見ると、対エンドユーザ向けのデータ量が小さいこと以上に、今や携帯でもスマートフォンでも利用が当然となったソーシャル・ネットワークを束ねた「ポータル」をキャリアが自社ブランドで押さえることができる点が魅力のようだ。ダム・パイプになることを恐れているモバイル・キャリアからすると、どこの国でも必ず毎日見るページを握ることの価値は極めて高いらしい。MIYOWA自体もAPIを公開しており、サードパーティのインテグレーションを促している。もちろん、広告を挿入することもできる。

（余談：説明を聞き終わってブースを後にしたら、ブースのディスプレーに描かれていたイラストと同じ黒いコスチュームの女性数名とすれ違い、慌てて後ろ姿の写真を撮った。）