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スマートフォンの音声入力がますます便利になるアプリ

2011.03.10

Updated by Kenji Tsuda on March 10, 2011, 17:00 pm UTC

携帯電話やスマートフォンでは音声認識・文字認識が入力方法の有力な手段になりつつある。音声入力でメールを書いたり、手書きの言葉の認識だけではなくさらに次の言葉を推理・予測して表示したりするような機能が載りつつある。文字入力でさえ推理機能が誤入力を直してくれたりもする。

音声認識ソフトウエアを開発しているフランスのニュアンスコミュニケーションズ(Nuance Communications)社は、アンドロイド向けの4つのパターン認識ができるFlexT9アプリケーションソフトウエアをこのMWCでリリースした。このFexT9は、あいまいな入力でさえ認識できるアプリケーションで、話す(音声認識)、なぞる(キーボード推理)、書く(文字認識)、タップ(ニュアンスを引き出す)いう4つの動作を認識する。

FlexT9は米国英語向けの認識ソフトをリリースした後、MWCにおいて欧州5カ国語(英国英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語)に対応するソフトを発表した。日本語対応も次のステップとして考えており、日本語対応の音声認識ソフトをすでに日産自動車向けに納入したと、説明員は語っている。ニュアンス社の提供する音声認識ソフトDragonがアップルのiPhoneの音声認識に使われていることは公然の秘密となっている。iPhoneユーザーはニュアンス社のDragon Dictationアプリケーションを数百万回ダウンロードされているという。

音声認識アプリに手書き文字入力などを搭載

今回、ニュアンス社がリリースしたパターン認識アプリFlexT9は、この音声認識アプリDragon Dictationを含む4つのアプリを統合させたものだ。もちろん、このDragon Dictationはアンドロイド向けに修正している。この音声認識を使っていつでもどこでも音声入力を電子メールやSMSテキストメッセージ、フェースブック、ツイッター、ウェッブ検索などに使うことができる。この音声認識では、「How are you question mark」と言えば、LCDスクリーンに「How are you ?」と打ってくれる。

キーボードをなぞるというトレース操作では、連続的なタッチ入力ができる。この認識ソフトT9 Traceを使えば、ユーザーは仮想キーボード上を簡単にある文字から次の文字へと指を滑らすことで正確に入力できる。また、このトレース機能には文章の予測機能もついているため、「How have you ben」と間違って入力しても「How have you been」と正しい英語で打ち出してくれる。

▼図1 文章の前後関係から正しい文章を推測する
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T9 Writeでは、指をペンのように使って言葉や文章、数字、シンボル記号などをタッチスクリーン上に書き、たちどころにその結果を見ることができる。文字認識にも推論機能が働く。「Are you in la」と入力した後、タッチスクリーン上でlとaの部分を下から上に向けて指でなぞると、画面上ではLAと大文字に直してくれる(図2)。さらにクエスチョンマーク「?」を書くと「Are you in LA?」と正しい英語に直してくれる。

▼図2 大文字/小文字の入力ミスや手書きの「?」を認識
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これまで同社が提供してきた文字認識ソフトXT9は世界中の数十億台もの携帯電話に使われてきた。今回の製品でもこのタップ操作はFlexT9のコアとなり、次の言葉を推定・予測するのに使われている。いい加減に書いたような文字でも言葉のミスを訂正し、スペルを修正したりする。例えば、「Trchbolihy」と入力するとキーボードの配列の近くにある文字を考慮して、「Technology」と示唆してくれる(図3)。

▼図3 キー配列の近くを推察して正しい言葉にたどりつく
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言葉の次も推測

推論機能が常に働くため、例えば「キャノン カメラ」と言えば、キヤノンのカメラを認識するだけではなく、キヤノン社カメラのカタログを画面上に映し出す。まだ英語版しかないため、今回のデモではカタログは英語で表示された。

FlexT9は、アンドロイドのアップストアから、英語(米英とも)、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語どれも各4.99米ドルでダウンロードできる。アンドロイド2.1以上のプラットフォームに対応する。

 
文・津田 建二(国際技術ジャーナリスト兼セミコンポータル編集長)

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津田建二(つだ・けんじ)

現在、英文・和文のフリー国際技術ジャーナリスト兼セミコンポータル編集長兼newsandchips.com編集長。半導体・エレクトロニクス産業を30年以上取材。日経マグロウヒル(現日経BP社)時代からの少ない現役生き残り。Reed Business Informationでは米国の編集者らとの太いパイプを築き、欧米アジアの編集記者との付き合いは長い。著書「メガトレンド半導体 2014-2023」、「欧州ファブレス半導体産業の真実」など。