ノキア・シーメンス「日本は高収益市場」、今年後半に日本でTD-LTE開始
2011.02.15
Updated by Michi Kaifu on February 15, 2011, 05:44 am JST
2011.02.15
Updated by Michi Kaifu on February 15, 2011, 05:44 am JST
開幕第一日目、ノキア・シーメンスのCEO、ラジーブ・スリ氏は、記者会見を行い、最近の好調な実績とそこに至る戦略の概要を披露した。
ノキアのインフラ部門とシーメンスが合併した当時、業績は思わしくなかったが、その後順調に回復している。その秘訣は、効率のよい「スマート・ネットワーク」を目指すことに絞り、また慣れ親しんだ欧州・新興国の「GSM市場」から一歩外に出て、「高収益市場」への進出をはかったことを要因として挙げた。
同社の戦略説明の中で繰り返し出てくる言葉は、「スマート」と「スケール」だ。スウェーデンで展開しているテリア・ソネラLTEでは、同社の提供するネットワーク機器はエリクソンと比べて50%以上のスループットが出ており、「シグナリングの無駄なトラフィックを大幅に削減する技術」が貢献しているという。また、スケールを生かしたコスト構造を強みとしており、「スケール」が期待できない製品にはコミットしない。
そして、同社が戦略市場と見る「高収益市場」とは、アメリカ、日本、韓国の3つ。いずれも、歴史的に同社があまりキャリアに入り込んでいない市場だが、そこをあえて「戦略市場」と位置づけ、自社進出と買収を組み合わせて、少しずつ浸透している。
日本プレス向けならばまだわかるが、欧州のベンダーが「世界戦略」の重要拠点として日本を挙げるというのは珍しいケースで、興味を引かれた。
同社は現在、モトローラのインフラ部門買収の作業を進めており、完了すれば日本ではKDDIにも供給関係ができる。すでにドコモとソフトバンクには供給しており、同社が今年の重要戦略のひとつとして掲げるTD-LTEに関しても、今年後半にソフトバンクで展開するとしている。
こうしたノキア・シーメンスの「高収益市場進出」戦略と、スウェーデンで提供しているLTEの運営状況について、戦略・事業開発部門トップのマイケル・マシューズ氏にインタビューした。
インタビュービデオはこちらの記事を参照:
インタビュー: ノキア・シーメンスの「高収益市場進出」戦略とスウェーデンのLTE[動画]
おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)
登録はこちら
ENOTECH Consulting代表。NTT米国法人、および米国通信事業者にて事業開発担当の後、経営コンサルタントとして独立。著書に『パラダイス鎖国』がある。現在、シリコン・バレー在住。
(ブログ)Tech Mom from Silicon Valley
(英語版ブログ)Tech Mom Version E