東北関東大震災は多くの企業にも大きな打撃を与えた。こうした企業に向けて、従業員との連絡手段の確保や、在宅勤務の支援、災害状況の情報収集などに役立つサービスを無償提供する動きが活発になっている。また、被災した自治体に向けて情報提供や連絡サービスの構築を支援するプログラムもある。主だった支援サービスをまとめた。

●被災企業にモバイル接続を無償で－－NTTPCコミュニケーションズ

NTTPCコミュニケーションズは、大震災で被災された法人、被災者に情報を発信する自治体や団体等への情報共有を支援するため、モバイル接続サービスなどを無償で提供する。1つは、インターネットへのモバイル接続サービス「InfoSphereモバイル接続サービス」を被災された企業の情報連絡などの利用に向けて無償提供するとのこと。モバイルカード・通信料を含めたインターネット通信環境を提供する。無償提供期間は1カ月程度を見込んでいる。もう1つは被災者に向けて情報を発信するためのインフラ基盤としての利用に向けて、「WebARENAホスティングサービス」を無償提供すること。

東北地方太平洋沖地震に伴う『InfoSphereモバイル接続サービス』『WebARENAホスティングサービス』の無償提供について

●緊急連絡ツールになるサービスを無償提供－－サイボウズ

サイボウズは、一時的な自宅待機、在宅勤務を余儀なくされている企業に対して、緊急連絡ツールとして無償で使えるサイボウズ製品を紹介している。1つは、無料の「サイボウズLive」で、自宅待機や在宅勤務している従業員との連絡ツールして活用できるという。もう1つが、社内のサイボウズ製品に社外からアクセスできる「サイボウズ リモートサービス」。リモートサービスを利用していない企業でも60日間の試用が可能。さらに、通常は試用期間中には50人までの制限があるが、この上限を1000人まで引き上げる。一時的な在宅勤務などで利用できる。

▼サイボウズLive

【震災復興支援】自宅から社内のサイボウズにアクセスできるサービスを無償提供

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●災害地の現状を把握できる「SmartAttack」を無償提供－－ゴーイング・ドットコム

ゴーイング・ドットコムは、災害地の現状を把握できる業務報告クラウドサービス『SmartAttack』を、期間限定で無償提供する。スマートフォンの画面の指示に従って写真とGPS情報付きの現況情報を簡単に送信できる。スマートフォンとインターネット環境があれば即日利用できる。対応機器はiPhoneおよびAndroid端末。申し込みは4月30日まで、利用は7月31日まで。

ゴーイング、「地震被害状況把握 SmartAttack 無償提供プログラム」を発表 [PDF]

●クラウドサービスの無償提供も－－富士通、日本ラッド

富士通は、災害復興の支援のを目的として、法人向けに「東北地方太平洋沖地震 クラウド特別ご支援プログラム」を無償で提供する。また、修理が必要とされる機器の保守サービスも特別価格で対応する。提供するプログラムは全12種。富士通のデータセンターに設置したサーバーやストレージ環境を使えるといった「クラウドインフラ無償提供プログラム」が5種、安否確認などに活用できるSNSやメール、Web会議、eラーニングなどのSaaS型アプリケーションを提供する「アプリケーション無償提供プログラム」が7種ある。無償提供は7月31日まで、申込みは4月30日まで。

「東北地方太平洋沖地震 クラウド/保守サービス特別ご支援プログラム」を提供

日本ラッドは、大震災への支援策の一環として、地方自治体や公共団体などへの救難支援として、災害救難支援用のインターネットサーバーの無償提供やサーバー復旧のための支援活動を行う。具体的には、「SaaSes」ブランドで提供しているIaaS(Infrastructure as a Service)を6カ月無償で提供する。これらのサービスを利用することで、復旧に関する各種情報サイト構築、連絡用メールサーバー、事務系処理、グループウエアの利用、SNS・ブログ・twitterなどのコミュニケーションツールを運用できるという。

東日本大震災に伴うサーバーの無料提供、サーバー復旧の支援について