NECは2011年6月3日、ネットワークの通信スループットの特性を物理的法則を用いて80%の精度で推定する技術を開発したと発表した。6月5日から京都で開催される「IEEE International Conference on Communications ICC 2011」で、6月6日に発表する。
インターネットやモバイルネットワークを利用していると、他のユーザーの利用状況や電波状況によってスループットが大きく変動することがある。ビデオオンデマンドやビデオチャットなどの動画サービスを利用しているときは、特にこうしたスループット変動の影響を受けやすく、画像が止まったりすることにつながる。スループットの変動を事前に予測できれば、その帯域に合わせて動画のデータサイズを調整するなどして、安定した動画の視聴が可能になる。
NECでは、スループットの時間変化の特性がゴムチューブなどの粘弾性体に力を加えたときの変形の特性に似ていることを解明した。これにより、粘弾性体の変形量算出の方程式を使って、スループットの時間変化を推定することに成功した。この方式による推定は、実験により80%の精度を示すことを実証した。
【報道発表資料】
・インターネットや携帯電話網の通信可能速度を推定できる技術を開発
【関連リンク】
・IEEE International Conference on Communications ICC 2011
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