リサーチ・イン・モーション（Research In Motion：RIM）が米国時間15日、同社の第2四半期（6-8月期）の決算を発表。スマートフォンの「Blackberry」や4月に投入したタブレット端末「Playbook」の販売台数が予想を大きく下回ったことから、利益は前年同期比59%の減少となり、同社の苦戦を見込んでいたアナリストらの予想をさらに下回る結果となった。

同期の売上は41億7000万ドルで前年同期比10%減、純利益は3億2900万ドルで前年同期の7億9700万ドルにくらべて半分以下となっている。また、調整後一株あたり利益は80セントとなり、同社予想の75セント〜1.05ドルの中には収まったものの過去最低の基準となった。なおアナリストらの予想は87〜88セントだった。

同期のBlackberry販売台数は1060万台、またPlaybookに関しては20万台となり、後者についてはアナリスト予想平均の49万台に比べて半分以下となったという。

同社のジム・バルシリエ（Jim Balsillie）共同CEOは、決算発表のなかで、同期のBlackberry販売台数が予想を下回ったことについて、「前バージョンのモデルの販売台数が予想に達しなかったため」としつつ、「『Bold』や『Torch』といった最新モデルは順調な滑り出しをしており、これらの成功を積み重ねていきたい」と説明。また、QNX社製OSを搭載したスマートフォン端末に関しても、従来通り来年投入の予定とした。

RIMのこの業績低迷について、アナリストのなかには、既存ユーザーをつなぎとめられないことよりも、利用者の幅を広げられていないことに原因があり、この点は最新モデル投入後も解消されていないとする意見も見られる。

調査会社ガートナー（Gartner）によれば、世界のスマートフォン市場におけるRIMのシェアは、今年第2四半期に12％となり、前年同期の19％から7％低下。それに対し、アップル（Apple）のiOSは18％(前年同期14%)、グーグル（Google）のAndroidは43％までシェアを拡大しているという。

なお、今回の発表ではRIMの手元流動性（現金残高）が、前四半期の29億ドルから半減し、14億ドルになったことも明らかにされているが、この持ち出しの大きな部分を占めたのが、6月下旬にオークションが実施されたノーテルの特許取得に関するもので、このための費用として同社は7億8000万ドルを計上したという。既報の通り、このオークションではアップル、マイクロソフト、RIMなどの6社が45億ドルでノーテルの持つ特許ポートフォリオを落札していた。

RIMは9−11月期の業績見通しについて、売上53億〜56億ドル、一株あたり利益1.20〜1.40ドルとし、またBlackberryの販売台数を1350万〜1450万台としている。また通年の業績見通しに関してはこれまで通りの一株あたり5.25〜6ドルとの予想をしている。

なお、前四半期には約50万台を販売しながら、今期には販売台数がその半分以下にとどまったタブレット端末「PlayBook」については、RIMでは新機能の追加や価格の引き下げ（リベートの増額）などの対策を講じることで売上の回復を図る意向だと、AllThingsDが伝えている。16GB版で500ドル、64GBで700ドル（いずれもWi-Fi接続のみ）とこの分野で圧倒的な優位に立つiPadと同等の価格で売られてきたPlayBookには、この価格設定にもかかわらず電子メールやカレンダー、アドレス帳などのネイティブアプリが欠けていることが発売時から弱点として指摘されていた。同社では来月に開催予定の開発者向けカンファレンスで、大幅な改善を加えたソフトウェア・アップデートを披露し、その後配布を進めるという。

【参照情報】
・Research In Motion Earnings At Low End of Forecast as Cash Drops by Half - AllThingsD
・http://allthingsd.com/20110915/rim-will-combat-lackluster-playbook-sales-with-new-software-and-pricing/ - AllThingsD
・Earnings Plunge 59% for BlackBerry Maker - WSJ.com
・RIM Misses Estimates on BlackBerry - Bloomberg
・BlackBerry posts drooping revenues, ships just 200,000 PlayBooks - Fierce Wireless