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[2011年第40週]KDDIがiPhone提供を正式発表、CEATECも開催

2011.10.11

Updated by Naohisa Iwamoto on October 11, 2011, 11:00 am JST

10月の最初の週は、驚きのニュースが海外から飛び込んできた。iPhone 5とも噂されていたiPhoneの最新機種は、「iPhone 4S」として発表され、その翌日には米アップルのスティーブ・ジョブズ氏が永眠したとの報が届いた。良くも悪くも、アップルウィークであり、アップルが話題の頂点にあったことは間違いない。

国内ではソフトバンクに加えKDDIもiPhone扱い

201110111100-1.jpgアップルが米国時間4日午前10時から開催した特別イベントを受けて、国内でも5日午前10時からアップルストア銀座店にてプレスイベントが開催された。ハンズオンではiPhone 4SとiPod touchの実機にいち早く触ることができた。アップルのiPhone 4Sのページには「ソフトバンクとKDDI(au)から。10月14日発売」と記されていたが、その時点では両事業者はまだコメントをしていなかった(関連記事:iPhone4Sは14日午前8時から発売。国内での通信規格と料金設定はどうなるか?)。

時が経ちKDDIは2011年10月7日、未明(1時50分)に異例のリリースを行った。iPhone 4Sを10月14日に発売、予約の受付を10月7日16時にauショップ、PiPit、取扱店で開始するというものだ。端末の価格は、端末代金相当額を毎月の料金から割り引く「毎月割」を適用したときに、16GBモデルが実質0円、32GBモデルが実質10320円、64GBモデルが実質20640円。パケット定額プランの「ISフラット」は、購入から24カ月にわたり5460円から4980円に割り引くキャンペーンを実施する(関連記事:KDDI、iPhone 4Sを10月7日16時から予約受付、ISフラットは24カ月4980円)。

201110111100-2.jpgソフトバンクモバイルも、7日の昼(12時30分)に記者発表会を行い、先に発表になったKDDIと同じくiPhone 4Sを10月14日に発売、10月7日16時から予約を受け付けると発表した。16GBモデルが実質負担0円、32GBモデルが実質負担月額480円(総額1万1520円)、64GBモデルが同880円(総額2万1120円)となる。パケット定額プランの「パケットし放題フラット」は従来通り4410円で利用できる(関連記事:「ジョブズの作品を一人でも多くの人に」、ソフトバンクもiPhone 4Sを7日16時予約開始)。

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CEATEC開催、携帯純増はソフトバンクが首位キープ

201110111100-3.jpgITとエレクトロニクスの総合展示会「CEATEC JAPAN 2011」が10月4日〜10月8日の5日間にわたり開催された。テーマは「Smart Innovation - 未来をつくる最先端技術」。暮らしや社会、ビジネスに対して、ITやエレクトロニクスがどのようにスマートな変革をもたらせるかという課題への提案を発信した(関連記事:「CEATEC JAPAN 2011」が開幕、幕張メッセで8日まで)。

WirelessWire Newsでは、特集「CEATEC JAPAN 2011」で、会場の様子をフォトレポートとカンファレンスレポートなどでお伝えしている。

201110111100-4.jpgCEATECの会場で1つの発表があった。mmbiがスマートフォン向けの放送局の名称を「NOTTV」(ノッティーヴィー)と決定したというもの。NOTTVは、2012年4月に放送を開始を目指して準備を進めている「モバキャス」のサービスである。「テレビにできないことをする」といった意味合いを込めて、「NOT」+「TV」の造語からNOTTVの名称を付けた。モバイル端末向け放送が単独ではビジネスとして成立しにくい中での離陸であり、文字通り「NOT」なサービスにならないよう前途に期待したい(関連記事:mmbiのスマートフォン向け新放送局、「NOTTV」の名称で2012年4月に開局)。

市況を見る指標の発表もあった。電気通信事業者協会(TCA)が発表した9月の携帯電話・PHSの加入者数では、携帯電話の純増数はソフトバンクモバイルが27万超となり18カ月連続の首位を守った。長期にわたるiPhone効果は、ソフトバンクモバイルを確実にKDDIに迫る地位に押し上げているが、10月からは逃げるKDDIもiPhoneという玉を手に入れる。10月以降の動向から目を話せない。一方、NTTドコモのLTEサービス「Xi」は、前月に引き続き9万を超える純増を得て累計でも40万契約に迫り、好調ぶりを示している(関連記事:ソフトバンクが18カ月連続純増首位、2011年9月の携帯電話契約数)。

IDC Japanは、国内のモバイルセキュリティ市場の予測を公表している。それによると、2010年の市場規模は23億円。その後は2015年まで年間平均で32.2%の成長率で市場が拡大し、2015年には93億円まで成長すると予測している(関連記事:2010年の国内モバイルセキュリティ市場は23億円、IDC Japanが予測)。

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あんしん、決済、MVNO--キャリアーの取り組み

第40週には、通信事業者(キャリアー)からいくつかの発表があった。まずNTTドコモから。スマートフォンを利用する青少年に向けた機能制限サービス「あんしんモード」を10月7日から開始した。スマートフォンへ市場が大きく舵を取る中で、アプリの新規インストールや起動、電話の発着信などを制限できる機能を提供し、青少年層のスマートフォン利用促進を目指す(関連記事:ドコモ、青少年に向けたスマホ機能制限サービス「あんしんモード」を開始)。

201110111100-5.jpgNTTドコモの話題をもう1つ。ドコモは写真や画像を元にして文字認識する技術を開発し、そのAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を無償でトライアル提供すると発表した。この技術は「文字認識API」として提供され、撮影した写真から文字を抽出するようなアプリケーションの開発に役立てる。無償提供期間は2011年12月1日〜2012年5月末となる(関連記事:NTTドコモ、写真から文字認識する技術のAPIを公開)。

一方、KDDIは楽天と手を組み、楽天市場の決済方法に「auかんたん決済」を追加した。これにより、楽天市場での買い物などの決済を、au携帯電話の料金と合算して支払えるようになる。楽天市場で決済画面に進んだ時に、「auかんたん決済」を選択すると、店舗から決済開始メールが届く。そのメールに記載されている支払い用Web画面で「au one」のIDなどを入力することで決済が完了する(関連記事:楽天市場の買い物、au携帯電話料金とまとめて支払い可能に)。

KDDIでも、もう1つ話題があった。それはWindows Phone IS12Tで10月上旬から順次開始するとアナウンスしていたEメールサービス(〜@ezweb.ne.jp)の提供を延期すると発表した。10月下旬以降に持ち越す。同時に、スマートフォンの「IS01」「IS03」「REGZA Phone IS04」のアップデートをアナウンスしている(関連記事:KDDI、Windows PhoneのEメールサービス提供を延期)。

201110111100-6.jpg最後に、最近は一般化してきたMVNOの話題を1つ。ソネットエンタテインメントは月額2770円の定額で3Gデータ通信を使えるMVNOサービス「So-net モバイル 3G」の提供を開始したと発表した。NTTドコモのFOMA網を利用し、下り最大14Mbps、上り最大5.7Mbpsのデータ通信が可能である。対象となるのはSo-net接続コースを利用の個人。ただし、接続コースを利用していない場合でも、月額210円の「モバイルコース」を契約することで対象になるので、月額2980円でFOMAを使える(関連記事:So-net、FOMA網を使った月額2770円定額のデータ通信サービス)。

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。