英ケンブリッジ大学のスピンアウトであるEight19社が新興国向けにスクラッチカード式のソーラー発電機の提供を開始した。IndiGoパワーユニットにはシリアル番号が付けられている。利用者は発電機を使いたい期間、一日とか一週間分に対応するスクラッチカードを購入する。スクラッチカード番号と発電機のシリアル番号を携帯のSMS(ショートメッセージサービス)でIndiGoサーバーに送ると、パスコードが返送される。利用者がIndiGoにパスコードの数字を入力すると電力が使えるという仕組み。携帯電話機の充電や、消費電力の低い照明機器などで利用できる。
送電網が未整備の地域では照明に灯油が使われており、燃焼によって二酸化炭素が放出される。太陽光発電システムを導入しようにも初期投資額が大きい。IndiGoは携帯電話サービスで一般的なプリペイド方式を採用することで初期費用無料、使用量の応じた低額の料金を実現。利用料金は1週間1ドル程度とのこと。夜間に照明器具が使えれば、仕事をする時間を増やすことができるほか、携帯電話の充電に要している時間の短縮にもなる。家庭に電気が来ていない場合、携帯電話の利用者は市街地まで歩き、公衆用の有料充電器に並んでいるという。
IndiGoはケニヤで試験導入が始まっており、ザンビア、マラウイ、インドでの試験導入を経て2012年に本格提供が開始される予定。現状、2.5Wだが、テレビなどの大型家電製品を使うには装置のスケールアップが必要になる。Eight19社はそうした大型版にも商機があると見ている。社名のEight19は、太陽光が太陽を発して地球に届くまでの時間(およそ8分19秒)に由来する。
【参照情報】
・Eight19 launches IndiGo pay-as-you-go solar power<プレスリリース>
・Eight19 to pioneer pay-as-you-go solar for emerging markets
・EIGHT19 LAUNCHES SOLAR POWER SCRATCH CARDS
・Eight19 Brings Pay-as-you-go Solar to Developing World
・YouTubeの映像
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