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エリクソン、スマートフォンの信号抑制やVoLTE関連のデモ

2012.03.01

Updated by Naohisa Iwamoto on March 1, 2012, 05:30 am JST

「MWC 2012」のエリクソンブースでは、スマートフォン時代に対応したネットワークに関連するデモが見られた。制御信号の抑制につながる方式のデモや、VoLTEの実用化に向けた技術のデモである。

スマートフォンは制御信号(シグナリング)の発生が従来型の携帯電話よりはるかに多く、ネットワーク負荷が高まってしまう。その1つの解決策として、無線の休眠状態をこれまでと変える方法が考えられている。既存の休眠状態は「Idle」という状態で、端末が制御してネットワークとのコネクションを切ってしまう。Idleから何かアクションを起こすと、一斉に制御信号が発生してしまう。それに対して、新しく「URA」(UTRAN Registration Area)と呼ぶ、ネットワーク側から制御する休眠状態を作る。この状態ではネットワーク側には端末の存在が認識されているため、データを実際に転送しなくて済むようなアクションならば、URAにとどまっていることができる。不用意に信号が発生しない。

▼上が従来型の休眠状態のみ、下が新しい休眠状態を持つ例。それぞれ下段が実際のデータ転送量で、従来型の休眠状態だとデータ転送をしないときにも上段で赤いデータ転送状態に遷移していることがわかる。新しい休眠状態だとデータ転送が不要なときには状態が遷移しなくて済む
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デモでは、従来型の休眠状態しか持たない端末と、新しい休眠状態で制御信号を抑えられる端末の比較をしている。写真の上が従来型の休眠状態で、ときどき制御信号が発生してデータ転送状態に遷移し、右から2番目の縦グラフに示したバッテリー消費が増えてしまう。これに対して、新しい休眠状態を使うと、同じ操作でも制御信号の発生がなくデータ転送状態に遷移することもないため、バッテリー消費が少なく済むことを示している。

▼中央下でLTEから端末が出ていく矢印が示すのがSRVCCの利用シーン
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VoLTEのデモでは、音声通話だけでなくビデオ通話などにすぐに切り替ええて利用できる高機能なサービスを提供できることを示した。また、LTE網でVoLTEによる音声通話を行っていて3G網に通話をハンドオーバーしなければならないときに、1つの無線機だけで音声通話を継続できる「SRVCC」(Single Radio Voice Call Continuity)も紹介していた。LTEから3Gに切り替わる際に、音声の途切れなどを感じさせずにハンドオーバーできることを示していた。SRVCCの実演は、協力関係にあるクアルコムのブースでも確認することができる。

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。