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インテル、テレビ市場参入を視野に - ウェブ経由の配信サービスを独自開発(WSJ報道)

2012.03.13

Updated by WirelessWire News編集部 on March 13, 2012, 10:05 am JST

インテル(Intel)がインターネット経由のテレビ番組配信サービスの開発を進めていると、米国時間12日にWall Street Journalが報じている。このサービスの実現に向け、自社ブランドのセットトップボックス(STB)投入の可能性も浮上しており、これまで他社へのプロセッサやチップセット提供に終始してきた同社にとって大きな戦略転換となる動きといえる。

WSJによれば、インテルが計画しているのは「仮想ケーブルテレビ事業者」(Virtual Cable Operator)という事業形態で、インターネットを通じて複数のテレビ番組をバンドルした形で消費者に提供しようとするものという。このサービスは、既存のケーブルテレビ(CATV)や衛星テレビと同様にサブスクリプション課金となるが、ただし同社が直接インターネット接続(ISP)サービスを提供する予定はないという。

インテルでは、数ヶ月前からコンテンツの提供元となる米テレビ局各社と交渉を続けており、2012年末をめどにサービスの開始を目指しているという。ただし、交渉はまだそれほど進んでおらず、同社がコンテンツ提供元に対して個別のチャネルや番組ごとの料金表提示を求めた段階で、最終的にこの計画が実現するかどうかは判らないと、WSJは記している。

GigaOMによると、インテルは昨年10月に「Google TV」向けのプロセッサなどを扱っていたデジタル・ホーム・グループを解散した際、今後は次世代のSTB用チップ開発に注力していくとしていたという。

今回のWSJの報道では、インテルのポール・オッテリーニ(Paul Otellini)CEOもこの計画に関与しているとされ、またこの新たな取り組みについては、高い認知度を持つ同社のブランドを使って直接消費者にアピールする考えもあることを明らかにしているという。

米テレビ市場の規模は現在、広告売上やサブスクリプション収入などを合わせて約1500億ドルとされるが、インターネットやスマートフォンなどの普及に伴う視聴形態の変化などから、大きな地殻変動が生じている。

視聴者の間では、割高なケーブルテレビの契約をやめ、ネットフリックス(Netflix)に代表されるウェブベースの動画配信サービスに切り替えるいわゆる「コードカッター」の流れが進んでいるが、この影響からこれまでDVDの売上や有料テレビ事業者へのコンテンツ配信に大きく依存してきた映画会社やテレビ局などのメディア企業各社は、収入の減少を補う新たな収益源を模索し、一部にはネットフリックスなどとコンテンツ提供に関する独占契約を結ぶ例も出てきている。

それに対し、配信経路を押さえるケーブルテレビ事業者や通信キャリア側でもこれに対抗する動きが進んでおり、ケーブルテレビ最大手のコムキャストによる大手テレビ局NBCの買収や、ベライゾン(Verizon)とレッドボックス(Redbox)の提携はこうした流れのなかに位置付けられるもの。

また、グーグル(Google)やアップル(Apple)、アマゾン(Amazon)、マイクロソフト(Microsoft)などの大手テクノロジー企業でも同市場を視野に入れた動きがすでに進んでいる。たとえばアマゾンではネットフリックスと競合する映画の配信サービスを同社の有料サービス「Prime」の目玉のひとつとして提供、いっぽうテレビ市場への参入をねらうアップルが大手メディア企業と交渉を続けていることも再三報じられてきている。

【参照情報】
Intel Developing Web-Based TV Service - WSJ
Is Intel working on a major TV initiative? - GigaOM
Intel wants in on web-based TV market? WSJ says yes - ZDNet

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