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ティム・バーナーズ-リー氏:「グーグルやフェイスブックから自分のデータを取り戻そう」

2012.04.19

Updated by WirelessWire News編集部 on April 19, 2012, 10:02 am UTC

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ワールド・ワイド・ウェブの考案者として知られるティム・バーナーズ・リー(Tim Berners-Lee)氏が、英Guardianとのインタビューのなかで、現在フェイスブック(Facebook)やグーグル(Google)などが管理するユーザーのさまざまな個人情報(データ)を、ユーザー自身が使えるようにすることで、それぞれにカスタマイズされた複数のサービスが登場する可能性があると述べている。また同氏は、英国政府が進めている諜報機関によるインターネットやデジタルコミュニケーションの監視計画について反対する姿勢を示している。

まず、バーナーズ・リー氏は、近年ウェブ上で膨大なデータが利用可能になっているとした上で、個人(一般のネットユーザー)はまだこのことの価値について気づいていないと述べている。同氏は、ネットユーザーはグーグルやフェイスブックなどさまざまな大手ウェブ企業に対して、自分のパーソナルな情報を提供するよう求めるべきとしている。

「私のコンピューターや携帯電話は、私の健康状態についてかなりよく理解している。例えば、私がどんなものを食べるか、どんなところにいるか、どのくらい運動をしてきたか、どのくらい階段を登ったか、みたいなことを知っている」(バーナーズ・リー氏)

同氏は、こうしたデータを役立てることができれば、個人にとって非常に便利なサービスが提供できるようになるとしつつ、現状ではソーシャルネットワーキングサイトが個人のデータを管理しており、個人がこれを利用する方法がないことが問題としている。

バーナーズ・リー氏は「オープンなインターネット」の擁護者として知られ、過去にはFacebookなどソーシャルネットワーキングの「サイロ」(silo)の台頭や、スマートフォン・アプリのような「閉じた」ウェブの拡大に警鐘を鳴らしてきた。そんな同氏は、いまだにこうした非常に支配的もしくは独占的な企業各社が及ぼす影響を危惧しているとしつつ、同時に小さな企業が技術革新をもたらす力が拡大していることから、現在市場を支配する巨大企業の影響力がこのままずっと続くことにはならないだろうとの見方を示している。

いっぽう、英国内で議論を呼んでいる政府のウェブ監視政策の推進に関しては、これを「危険なもの」であるとし、とりやめるべきと警鐘を鳴らしている。

英国政府は今月はじめ、同国の諜報機関である政府通信本部(Government Communications Headquarters:GCHQ)で、さまざまなソーシャルメディアでの発言やスカイプ通話、Eメールのやりとりなどを監視し、また国内のインターネットユーザーのウェブサイトへのアクセスのログをとる計画を明らかにし、大きな批判を浴びていた。

公共データのアクセス可能性に関して同政府のアドバイザーを務めているバーナーズ・リー氏は、監視政策が人権の破壊につながるとし、大量のプライベートな情報が汚職によって盗まれたり、オープンにされる可能性が高まるとしている。

「人々の情報を常に記録すべきとするアイディアは明らかに危険だ。それは情報が盗まれ、悪意ある公務員や管理者によって利用される可能性があるということを意味する。例えば、政治や軍事に関わる人物を脅迫することもできるだろう。これらの情報の記録を残すことは、濫用の可能性を広げるということ」(バーナーズ・リー氏)

【参照情報】
Tim Berners-Lee: demand your data from Google and Facebook - Guardian (UK)
Tim Berners-Lee urges government to stop the snooping bill - Guardian (UK)

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