「Kinect」でゲームのジェスチャー操作という新分野を切り拓いたマイクロソフト（Microsoft）のエンターテイメント部門から、また新しい技術（と情報の愉しみ方）が発表されている。

モバイル端末とスマートテレビとの連動、音声認識のよるテレビやゲームの操作など、いずれも個別にはこれまで随分と予想されてきたもの。しかし、複数の要素がここまで統合されたものを具体的にみせられると、やはりそれなりのインパクトがある。しかも、自社のWindows Phone以外に、Android端末やiOS端末を取り込む形での提供、というのだからさらに興味深い。

個別の要素については、たとえばアップルにも「Siri」「Airplay」「Apple TV」などがあるため、今後の焦点は各社間の「統合に向けた実装スピード」の勝負となろう。マイクロソフト側からすれば、なるべく早急にしかもできるだけ高い完成度で、こうしたビジョンを実現する具体的な製品を市場に出していけるか。アップルとしては来週のWWDCでどんなものを発表し、それをいつ頃出してくるのか（（スマートフォン・タブレット端末市場でいまのところほぼ「独り勝ち」に近い同社も、リビングルームという新たな要素を加味した総力戦への対応で後手にまわるようなことがあれば、そこを起点に形勢逆転される・・・といった可能性も考えられなくはない）。さらに「Google TV」で一度はつまづいたグーグルが今後どんな形の「複数デバイス連動」を構想・実現してくるのか。OSを軸にしたプラットフォーム間の競争がまたいっきに盛り上がりそうである。

【参照情報】
・Microsoft Xbox Is Winning The Living Room War. Here's Why. - Forbes
・Microsoft's SmartGlass gets official: app brings AirPlay-esque streams to Android, iOS and Windows Phone - Engadget
・Halo 4, SmartGlass lead underwhelming Xbox E3 event - CNET
・Apple to bring full Siri voice-assistant to the iPad with iOS 6: mockup and details - 9to5 Mac