シングテル・モバイル(SingTel Mobile)で昨年9月に発生した通信途絶に対して規制当局であるIDA(情報通信開発庁)が40万シンガポールドル(1ドル=60.4円換算では約2,416万円)の罰金を課した。昨年5月にライバルのM1に課せられた30万ドル(約1,812万円)を抜いて歴代1位の罰金額になった。
IDAが先週行なった発表によるとシングテル・モバイルはIDAの定めたサービス・レジリエンシー法(Service-resiliency Code)、つまり障害発生時にサービスを復旧させるための弾力性を提供する義務を果たせなかったことが理由とのこと。同法でIDAがオペレーターに課すことができる罰金の最高額は100万ドル(約6,040万円)か年間の粗利益の10%のいずれか高い方。同社は昨年62億ドルの純利益を上げているから、今回の罰金は最高額から見れば低いものの、途絶時間からすると厳しいようにも思われる。
通信途絶は9月6日から7日にかけて22時間に及び、シンガポール中心部で3Gの発着信ができなくなった。シングテル・モバイルは障害原因の特定に必要以上に手間取り、復旧までの時間が必要以上にかかってしまったということだ。原因はソフトウェアの不具合で同社の基地局の5%が影響を受け、通信障害に遭遇した加入者は数千名程度。
ライバルM1の場合は昨年5月にハードウェア故障でバックエンド・システムに障害が発生し、加入者の所在地情報を蓄積するデータベースに影響があった。通話の発着信のほか、SMSやMMS(マルチメディアメッセージングサービス)の送受信が一部ユーザで困難になった。
シングテルに対してもM1に対しても、罰金が課せられた理由は復旧に対する努力がIDAにとって「不満(not satisfactory)」ということで、11月に罰金を言い渡されたM1は後日、罰金は不当として訴えを起こしているという。
【参照情報】
・SingTel subsidiary hit with record $400k fine
・SingTel Mobile slapped with USD312k fine for 3G outage; StarHub experiences fibre disruption
・SingTel fined due to service disruption
・M1 fined for network disruption
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