WirelessWire News Technology to implement the future

by Category

サムスン、オランダで勝訴 - 対アップル訴訟、UMTS関連特許で

2012.06.21

Updated by WirelessWire News編集部 on June 21, 2012, 08:52 am JST

蘭ハーグの裁判所は現地時間20日、アップル(Apple)製品がサムスン(Samsung)の保有する特許権を侵害しているとする同社の認める判決を下した。両社間では数多くの訴訟が続いているが、サムスン側からアップルを訴えていたケースでサムスンが勝訴したのは今回が初めてとなる。

ハーグの裁判所は今回、アップルの「iPhone 3G」「iPhone 3GS」「iPhone 4」、それに初代「iPad」および「iPad2」が、サムスンが訴えに含めていた4件の特許権のうち、3G/UMTS通信技術関連の1件(「EP1188269」)を侵害していると判断。ただし残り3件については侵害を認めなかった。

同裁判所は、アップルに対してサムスンへの支払いを命じたが、同時に該当製品の販売差し止めを求めるサムスンの主張は退けた。

今回侵害が認められた特許権は、UMTS技術関連の、業界標準に準拠するために必要な「必須標準特許」とされるもので、FRAND(公平、妥当、非差別的)という原則にのっとった他社へのライセンス提供が求められるもの。

この特許権に関しては、アップルが以前、FRAND原則に準拠した額でのライセンス料の支払いを申し出たものの、金額についてサムスンとの間で合意にいたらなかったという経緯がある。今回の判決では、アップルからサムスンへの支払いに関し、FFRAND原則に準拠したライセンス料を受け入れるようサムスンに命じており、アップルの主張も認められた形での判決となった。

【参照情報】
Samsung finally wins its first offensive case against Apple -- but it's only a consolation prize - FOSS Patents
Samsung owed compensation from Apple after winning 3G patent ruling in The Hague - The Verge
Samsung Finally Wins a Patent Case Against Apple - ATD
Apple infringes on Samsung UMTS patent, Dutch court rules - Computerworld
アップル対サムスン特許訴訟 - オランダ法廷、サムスンの3G関連技術の訴えを却下
アップル、欧州標準化団体に必須標準特許のガイドライン作成を要請
欧州委員会、サムスンを本格調査へ - 「FRAND」特許濫用の疑いで
オランダ法廷、アップルの控訴を却下 - 対サムスン「Galaxy Tab」関連訴訟
オランダ法廷、サムスンのアップル製品販売差し止め請求を却下

WirelessWire Weekly

おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)

登録はこちら

RELATED TAG