米ガートナー（Gartner）が新たに発表したIT関連支出に関する予測によると、今年の世界の市場規模は3兆6280億ドルで前年比3％の増加、また来年（2013年）には3兆7860億ドル（同4.4%増）になる見込みだという。

[Gartner]

2011年の実績は3兆5230億ドルで前年比7.9%増を記録していたことから、市場全体では成長鈍化が見込まれる。この理由についてガートナーは欧州の経済危機、中国の経済成長率の低下、米国での景気回復の遅れなどを挙げている。

そうしたなか、全体の成長を牽引しそうな分野のひとつがクラウド・コンピューティング関連で、2012年の売上規模は1090億ドルと前年の910億ドルから大きく増加、さらに2016年には約2倍近い2070億ドルに達する見込みだという。

また通信関連分野の予想成長率は前年比10.8％増と、2011年の17.5%には及ばないものの、今年もふた桁成長が見込まれる。これは新興市場でのネットワークの普及に加え、先進国などでもネット接続機能を持つ端末（タブレットやゲーム機など）の増加が見込まれるため。

なおこの予測は、ガートナーが世界の大企業500社を対象に実施したIT関連の支出予定などについての調査結果をまとめたものだという。

【参照情報】
・Gartner Says Worldwide IT Spending On Pace to Surpass $3.6 Trillion in 2012 - Gartner
・Gartner Raises IT Spending Growth Projection on Cloud Services - Bloomberg
・Gartner: Enterprise IT Spend Will Pass $3.6 Trillion In 2012, Cloud Investments Rise To $109B - TechCrunch
・Public Cloud and Telecom to Lead $3.6 Trillion in IT Spending This Year, Gartner Says - ATD