総務省は2012年7月20日に「モバイルコンテンツの産業構造実態に関する調査結果」を発表した。それによると、2011年のモバイルコンテンツ(フィーチャーフォン)市場は6,539億円となり、前年比で1.1%の増加となった(図1)。また今回から調査対象としたモバイルコンテンツ(スマートフォン)市場は806億円だった。一方モバイルコマース市場規模は1兆1,716億円で、前年比16.2%の増加となった。
▼図1:モバイルコンテンツ/コマース市場規模(2007年〜2011年)
モバイルコンテンツ(フィーチャーフォン)市場の内訳をみると、2011年はほぼ全ての分野で市場が縮小したものの、ソーシャルゲーム等市場の拡大で全体はかろうじて対前年比プラスとなった(図2)。これは2011年がスマートフォンの本格的に普及し始めたことと関連があるだろう。
▼図2:モバイルコンテンツ(フィーチャーフォン)市場の内訳(2007年〜2011年)
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2011年のモバイルコンテンツ(スマートフォン)市場の内訳をみると、約6割がソーシャルゲーム等市場で占められている(図3)。フィーチャーフォンとスマートフォンを合計したモバイルコンテンツ市場合計でみても、ゲーム系以外はマイナスということになり、スマートフォンの普及でコンテンツ市場全体の構造変化が生じている可能性もある。
▼図3:モバイルコンテンツ(スマートフォン)市場の内訳(2011年、課金タイプ別/コンテンツ別)
2011年のモバイルコマース市場規模は1兆1,716億円で、前年比16.2%の増加となった。2010年は伸びが一時停滞したが、2011年は大幅な成長となった。内訳をみると、物販系市場の伸びが3割を超え、この分野が大きく寄与したことがわかる(図4)。
▼図4:モバイルコマース市場の内訳(2007年〜2011年)(トランザクション系とは証券取引手数料、オークション手数料などを対象とした市場。サービス系とは旅行チケット、興行チケットなどを対象とした市場。物販系とは一般的な通販を対象とした市場を指す)
総務省の委託を受けてモバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)が実施した。モバイルコンテンツ(フィーチャーフォン)市場については携帯電話事業者のデータ等から推計し、モバイルコンテンツ(スマートフォン)市場については携帯電話事業者とコンテンツ事業者のデータやアンケート調査、スマートフォン利用台数などから推計した。モバイルコマース市場に関しては、主な事業者・団体にヒアリングし、その結果を基に推計した。
【情報ソース】
総務省:モバイルコンテンツの産業構造実態に関する調査結果(2012年7月20日)
・モバイルコンテンツの産業構造実態に関する調査結果
・モバイルコンテンツの産業構造実態に関する調査結果 [PDF]
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