パナソニック、スマホ対応エアコンの「運転オン」機能を削除
2012.09.13
Updated by Naohisa Iwamoto on September 13, 2012, 11:38 am JST
2012.09.13
Updated by Naohisa Iwamoto on September 13, 2012, 11:38 am JST
パナソニック アプライアンスマーケティング ジャパン本部は2012年9月12日、8月21日に発表したルームエアコン新製品からスマートフォンアプリで「運転オン」にできる機能を削除すると発表した。経済産業省の電気用品安全法 技術基準への適合に課題があると判断したため。
機能の削除を行うのは、8月21日発表、10月19日から順次発売するとアナウンスしていたルームエアコン「Xシリーズ」(関連記事:[2012年第34週]家電も車載器もスマホ連携、Android搭載デジカメ、女性を狙うマルウエア)。ニュースリリースでは、スマートフォンによる遠隔操作や省エネへの対策を最大の特徴としており、外出先からの運転オン/運転フが可能な「どこでもリモコン」、電気代が確認できる「エコ情報」、1カ月先までの予約ができる「カレンダー予約」、電力ピーク時の電力を抑えて運転したいときに3段階で制御できる「パワーセーブ セレクト」、設定した2つの温度を基準にして冷暖房を自動的にオン/オフする「ダブル温度設定」といった機能を搭載すると発表していた。
このうち、専用のスマートフォンアプリ「パナソニック スマートアプリ」を利用する機能の中で、「運転オン」に至る可能性のある機能を削除する。パナソニックのニュースリリースによれば、「電波を利用した、外出先等からの遠隔操作における、運転オンの機能は、監督官庁とも協議いたしました結果、電気用品安全法 技術基準への適合に課題があると判断し」たことから、機能を削除することにしたという。具体的には、スマートアプリの機能のうち、運転オンが可能な「どこでもリモコン」と、カレンダー予約、パワーセーブ セレクト、ダブル温度設定を含む「myエアコン設定」のメニューを削除。運転にかかわる機能としては、遠隔操作での運転オフだけが残る格好となった。
省エネを見据えた家電とスマートフォンの連携の試みは、図らずも技術基準への適合という壁が立ちはだかることになった。今回は、エアコンを電波を介して遠隔操作して電源をオンにできるか否かが課題だが、このソリューションはホームネットワークの将来図として古くからメーカー各社が掲げてきた構想だ。技術基準への適合に課題があるのは事実だろうが、製品が発表されるまでに何らかの対策が打てなかったのか、残念に思える。
【報道発表資料】
・8月21日発表 ルームエアコン「Xシリーズ」、パナソニックスマートアプリ機能 一部仕様変更のお知らせ
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