[2012年第48週]キャリア版iPad mini発売、Smart TV Box発信、地下鉄エリア化推進
2012.12.03
Updated by Naohisa Iwamoto on December 3, 2012, 12:00 pm JST
2012.12.03
Updated by Naohisa Iwamoto on December 3, 2012, 12:00 pm JST
iPad miniとiPad Retina ディスプレイモデル(第4世代iPad)がKDDIとソフトバンクモバイルが発売し、LTE対応のWi-Fi+Cellularモデルが手に入るようになった。KDDIが開発していたAndroid搭載のセットトップボックス「Smart TV Box」の提供も始まった。地下鉄の携帯電話エリア化、Wi-Fiの利便性向上策なども進んでいる。
KDDIとソフトバンクモバイルは、2012年11月30日のiPad miniとiPad Retina ディスプレイモデルの発売前日、料金などを発表した。両社とも、自社のスマートフォンとセットで利用する場合には基本使用料が0円からとなるキャンペーンを提供する。両社とも同様のプランとキャンペーンを提供し、iPad mini、iPad Retina ディスプレイモデルともに16GBの製品ならば、月額2140円からの支払いで利用できる(関連記事:KDDIとソフトバンクモバイル、iPad miniの基本使用料が0円になるキャンペーンなどを発表)。
テレビとネットの融合が進むか。KDDIが開発したAndroid 4.0搭載のセットトップボックス「Smart TV Box」の提供が、KDDI傘下のケーブルテレビ事業者であるジャパンケーブルネット(JCN)で始まった。JCNでは「JCNスマートテレビ」の名称で、セットトップボックスを使ったサービスを提供する。Smart TV Boxを使うことで、テレビ放送だけでなくインターネットのコンテンツやAndroidアプリをテレビの大画面で楽しむことが可能になる。Wi-Fiの通信機能により、スマートフォンやタブレット端末との連携も高めた(関連記事:KDDIの「Smart TV Box」、ジャパンケーブルネットが第一号商用化)。
低料金で使えるLTEサービスがNTTコミュニケーションズ(NTTコム)から登場した。それがモバイルデータ通信サービス「OCN モバイル エントリー d LTE」で、NTTドコモのXiのエリアでは下り最大75Mbps/上り最大25Mbps、FOMAのエリアでは下り最大14Mbps/上り最大5.7Mbpsのデータ通信ができる。最大の特徴は、SIMカードだけのタイプならば月額2880円という低廉な定額料金で利用できることだ。月間2GB以上の利用で速度制限がかかるものの、ライトなモバイルユーザーに適したサービスといえる(関連記事:NTTコム、月額2880円のLTE対応データ通信サービスを開始)。
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地下鉄での携帯電話エリア化が着々と進んでいる。この週は3件の発表があった。1つは名古屋市営地下鉄で、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、イー・アクセスが鶴舞線の一部区間で11月30日から携帯電話サービスを開始した。サービスを開始したのは、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの3社が鶴舞線の「御器所駅〜赤池駅」の9駅の区間、イー・アクセスが「御器所駅〜いりなか駅」の3駅の区間(関連記事:名古屋市営地下鉄、鶴舞線が携帯電話エリアに加わる)。
東京では、東京メトロと都営地下鉄の双方でエリア拡大のニュースがあった。いずれもNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、イー・アクセスの4社のサービスで利用できる。東京メトロでは、2012年12月6日に銀座線(青山一丁目駅〜渋谷駅)、日比谷線(小伝馬町駅〜築地駅)でサービスを開始する。東京メトロの地下鉄エリア化は2012年度末までに完了する計画である(報道発表資料:東京メトロ一部路線における携帯電話のサービスエリア拡大について)(NTTドコモ)。
都営地下鉄では、11月30日から浅草線(泉岳寺駅〜東日本橋駅)、三田線(白山駅〜志村坂上駅)、大江戸線(新宿駅〜都庁前駅〜牛込神楽坂駅)でサービスが始まっている。都営地下鉄では2012年12月中に一部の線区を除いてエリア化が完了する予定だ(報道発表資料:都営地下鉄の一部路線における携帯電話のサービスエリア拡大について)。
公衆無線LANサービスの利便性向上策の発表もあった。ソフトバンクモバイルは、ユーザーが「ソフトバンクWi-Fiスポット」をより快適に使えるようにする施策を発表した。取り組みは大きく6つ。「ログイン時間の短縮」「セキュリティーの強化」「移動中Wi-Fi接続制御」「5GHz帯に対応したアクセスポイントの拡充」「携帯電話回線(3Gや4G/4G LTEなど)とWi-Fiネットワークの切り替え時間短縮」「Wi-Fi接続最適化のための継続的な改善」。端末、モバイルネットワークの両面から改善を順次実施し、利便性を向上させる(報道発表資料:「ソフトバンクWi-Fiスポット」の利便性向上に向けた取り組みについて)。
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災害関連のニュースもあった。NTTドコモは、環境センサーネットワークを活用した自治体向け災害監視支援サービス「防災テレメータサービス」の提供を開始した。環境センサーネットワークで観測した気象データに、防災で重要な情報となる河川水位や遠隔画像などの観測機能、情報管理者向けの表示・分析機能を新たに加えた、自治体や企業向けのパッケージサービス。愛知県知多郡武豊町が2012年12月1日に運用を開始しているという(報道発表資料:環境センサーネットワークを活用した「防災テレメータサービス」の提供を開始)。
この週に起こった北海道の暴風雪により被害を受けた人に対しての支援策が各キャリアからアナウンスされた。災害救助法適用と地域のユーザーに対して、通信料金の減免、故障修理代金の一部減額、携帯電話の貸し出しなどを行う。詳細は各キャリアのお知らせを参照していただきたい。被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
・11月27日の暴風雪による災害救助法適用地域に対する支援措置について(NTTドコモ)
・北海道の暴風雪被害に伴う支援について
(KDDI)
・北海道暴風雪被害に伴う支援について(ソフトバンクモバイル)
・北海道における暴風雪の影響に伴う災害救助法の適用地域への特別措置について
(イー・アクセス)
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そのほかのトピックを紹介する。NHN Japanは2012年11月26日、無料通話・無料メールアプリの「LINE」に、従来の電話番号認証に加え、Facebookアカウントを利用した新規登録・友人情報の連携が可能な認証・連携機能を導入することを発表した。Facebookアカウントを利用してLINEの新規アカウントを生成したり、Facebookを利用している友人をLINE上で自動的に「友だち」に追加したりすることが可能となる(関連記事:LINEがFacebook認証・連携機能を導入)。
ところが11月28日、NHN JAPANはAndroid版LINEで提供しているFacebookアカウントでの「友だち連携機能」の停止を発表した。機能が正常に稼働しないことが判明したためで、iOS版LINEを含め、今後についてはFacebook社と機能や仕組みについて協議を進めるとしている(関連記事:LINE、Facebookによる友だち連携機能を停止)。
コニカミノルタテクノロジーセンター(コニカミノルタ)が、「Qi(チー)」規格に準拠したワイヤレス充電機能を備えるLEDデスクライト「Symfos LED-TASKLIGH」を発売する。コニカミノルタによれば、Qiワイヤレス充電機能を搭載したLEDデスクライトは、世界初とのこと。Qiに対応したスマートフォンなどを台座の上に置くだけで充電ができるため、コネクタの接続などが不要で、机上のスペース倹約にもつながる(関連記事:「Qi」で置くだけ充電が可能なLEDデスクライト、コニカミノルタが発売)。
海外初のニュースを1つ紹介する。今年10月時点で、iOSアプリを扱うApp Storeの売上がAndroidアプリなどを扱うGoogle Playの4倍だったというデータが、米調査会社App Annie Intelligenceから発表されている。その中で注目したいのが10月の国別の売上。App Storeでは売上全体の33%が米国で、次点の日本(14%)を大きく引き離している。一方、Google Playでは日本が29%で首位、米国が26%でこれに続いている。日本がAndroidアプリの売上で世界を牽引していることが見て取れる数値だ(関連記事:Google Playでのアプリ売上、今年は3倍以上に - 国別では日本が首位に)。
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