4月1日、NTTグループでは4月上旬から開始を予定していた「スマホ・PC利用状況モニター」の中止を発表した。プライバシーにかかわる不安などがSNS上に多数掲載されたことに配慮した。
この調査は今後のサービス向上に向け、多様な端末環境における利用状況の客観的な把握および多様な端末環境における情報収集技術の開発と検証を目的に、最大約1000人のモニターを募集していた。
調査手法は、調査対象端末にユーザーが専用アプリをインストールし、端末情報、ネットワーク利用情報、Web閲覧情報、位置情報(スマートフォンのみ)などを収集する。また、詳細なWeb閲覧情報として「閲覧HTMLファイル、ブラウザ操作情報等」を取得するとしていた。その際、暗号化された通信でもHTMLファイルは取得するが、「主なWebメールサイトや銀行、証券会社、SNSについてはあらかじめ取得しないように設定する」とモニター参加規約内で案内していた。
3月1日から募集をしていたにもかかわらずこの時期になってSNS上で話題となったのは、3月27日にフレッツ光メンバーズクラブ会員宛に一斉送信された募集告知メールがきっかけ。「取得される情報の範囲や取集した情報の利用目的が不明瞭で不安」「プライバシー保護がユーザー自身の設定に任されており、設定によってはプライバシーが守られない可能性がある」といった懸念がTwitterなどで指摘されていた。
【報道発表資料】
・「ネット利用時の情報取得に関するモニター施策」に関するお詫びと施策中止のお知らせについて(NTT)
・ 「スマホ・PC利用状況モニター」施策の中止について(NTTドコモ)
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登録はこちらWirelessWire News編集委員。独立系SIerにてシステムコンサルティングに従事した後、1995年から情報通信分野を中心にフリーで執筆活動を行う。2010年4月から2017年9月までWirelessWire News編集長。「人と組織と社会の関係を創造的に破壊し、再構築する」ヒト・モノ・コトをつなぐために、自身のメディアOrgannova (https://organnova.jp)を立ち上げる。