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富士通、医療現場の無線化を進める「mBAN」の国内初の実証実験を実施

2013.04.12

Updated by Naohisa Iwamoto on April 12, 2013, 17:40 pm UTC

20130412_mBAN.jpg富士通は2013年4月12日、医療現場で各種センサーから計測器に無線で情報を送ることが可能になるメディカル・ボディ・エリア・ネットワーク(mBAN)の試作無線機を開発して、国内で初めての実証実験を実施したと発表した。心電や脳波、血圧、体温などのバイタルチェックがケーブルレスでできるようになり、医療の質の向上に貢献できるとしている。

mBANは、IEEE802.15.6として2012年2月に標準化が完了した医療用途に特化した通信規格。無線出力を低減させて通信可能エリアを3~5mに限定することや、スリープモードを採り入れたプロトコルの採用をするなどして、低消費電力を実現した。今回の実証実験は、2013年2月18日~22日に神奈川県川崎市の富士通クリニックの病室内で実施。医療専用周波数帯である400MHz帯を使って行った。実験では、mBANの試作無線機を体のさまざまな部分に取り付けた患者役の従業員に対して、実際の病室の条件下でmBANシステムの性能測定を行った。身体の近傍で無線によるデータ通信の信頼性を確認するとともに、複数の独立したmBANを同室内で利用した場合の干渉がないことも確認できた。

mBANが実用化されると、現行ではケーブル接続や目視による転記で実施しているバイタルチェックが、各種センサーから計測器に無線で情報を送ることで完了する。ケーブル配線による患者のストレス緩和、看護師の解除負担の軽減につながるほか、ケーブルが誤って外れたり転記ミスをしたりというリスクの低減による医療の質の向上に貢献できる。

この実験は、富士通が総務省から受託した「400MHz帯医療用テレメーターの周波数高度利用技術」に関する調査検討の一環。実際の病室でmBANの性能を測定して、医療現場での無線通信の信頼性や安全性を調査することを目的としている。

【報道発表資料】
国内で初めてメディカル・ボディ・エリア・ネットワークの実証実験を実施

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。