AllThingsDによると、フェイスブック（Facebook）が独自のモバイル決済サービス提供に向けた実証実験をまもなく開始するという。この新サービスでは、ユーザーがFacebookに登録したクレジットカード情報を利用して、モバイル端末から簡単に買い物をできるようにするという。

フェイスブックはすでに同SNSのゲーム内での買い物や「ギフト」機能の利用に必要とされる決済機能を提供しており、これを利用するためにクレジットカード情報を登録しているユーザーが新サービスの対象になるという。また同社は来月にも開始予定のこの実験に向けて、「JackThreads」という若年男性向けフラッシュセール・サイトと協力していくことを明らかにしているという。

携帯端末を使った決済サービスの分野では、ペイパル（PayPal）、グーグル（Google）、アマゾン（Amazon）などの大手各社のほか、さまざまな新興企業がしのぎを削っている。ただし、フェイスブックは「今後もペイパルとの良好な関係を保っていく」とAllThingsDに話しており、新サービスは「既存の各アプリの決済プロバイダーを駆逐していくようなものではない」とする声明を出しているという。

AllThingsDでは、フェイスブックにクレジットカード情報を登録しているユーザーが何人くらいいるかは不明とした上で、「そうしている米国人ユーザーは1000万人もいないだろう」とするフォレスター（Forrester）アナリストのコメントを紹介し、自分のクレジットカード情報をSNSに登録することをためらうユーザーも多いため、本格展開にあたってはこの点も大きな壁になることが予想されるなどと記している。

【参照情報】
・Facebook to Test Its Own PayPal Competitor in Bid to Simplify Mobile Purchases - AllThingsD
・Facebook to take on PayPal? Not so fast - CNET
・Facebook said to be testing its own mobile purchasing program - The Verge