NTTドコモは、携帯電話ネットワークの仕組みを利用して作成される人口統計情報である「モバイル空間統計」の実用化を10月から開始する。モバイル空間統計を、ドコモのグループ会社である株式会社ドコモ・インサイトマーケティングを通じたリサーチ事業として、自治体、学術機関、企業などからの各種調査依頼などにもとづいて提供する。
モバイル空間統計とは、基地局ごとにエリア内に所在する携帯電話を把握する仕組みを利用し、端末ごとの位置データと利用者の年齢、性別、住所のデータを用いて、エリアごとの携帯電話台数を利用者属性別に数えてドコモの携帯電話の普及率を加味して人口の地理的分布を推計したもの。データに対しては非識別化処理、集計処理、秘匿処理をドコモ内部で実行しており、「個人が識別できない、利用者のプライバシー保護に配慮した統計情報」であるとしている。
なお、利用者が、自分の情報をモバイル空間統計で利用されたくない場合は、ドコモインフォメーションセンターの総合お問い合わせ(ドコモ携帯電話から局番なしの151・午前9時~午後8時)で受け付けている。
これまでドコモでは、主に公共分野を中心にモバイル空間統計の有用性について検証を行っており、千葉県柏市のまちづくりに関する共同研究(関連記事)や埼玉県の帰宅困難者推計調査などの実績がある。
【報道発表資料】
・モバイル空間統計の実用化および携帯電話ネットワークの運用データ利用について
・モバイル空間統計ガイドライン
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登録はこちらWirelessWire News編集委員。独立系SIerにてシステムコンサルティングに従事した後、1995年から情報通信分野を中心にフリーで執筆活動を行う。2010年4月から2017年9月までWirelessWire News編集長。「人と組織と社会の関係を創造的に破壊し、再構築する」ヒト・モノ・コトをつなぐために、自身のメディアOrgannova (https://organnova.jp)を立ち上げる。