米携帯通信市場第4位のT-モバイル（T-Mobile USA）のブラクストン・カーター（Braxton Carter）CFOが米国時間25日、ニューヨークで行なわれたゴールドマン・サックス主催の投資家向けカンファレンスのなかで、同業界のさらなる再編を予想し、同社と米携帯通信市場3位のスプリント（Sprint）との合併の可能性についても言及したという。

カーター氏は、米携帯通信市場におけるさらなる買収合併について、「問題は、それが起こるかどうかではなく、いつ起こるかとだと考えている」とし、T-モバイルとスプリントの合併については、「もっとも合理的な組み合わせ（logical ultimate combination）」と表現した。ただし、両社の間ですでに交渉が進んでいるかについてはコメントを避けたという。

この前日には、やはり同カンファレンスに登場したAT&Tのランデール・ステファンソン（Randall Stephenson）CEOが、米規制当局の反対で結局失敗に終わった同社によるT-モバイル買収を引き合いに出しながら、当局では大手4社による競争が必要との考えだとして、今後数年間はさらなる業界再編の可能性は少ないと述べていた。これに対し、T-モバイルのカーター氏は、市場の寡占を懸念する米規制当局の姿勢が国内の大手携帯通信事業者同士の合併を難しくしているとしつつも、現在の米携帯通信市場がAT&Tとベライゾン（Verizon Wireless）の2社による複占の状況にあるとして、強力な三番手が誕生すれば市場での競争がより活発化するなどと述べたという。

また同氏は、ディッシュ・ネットワーク（Dish Network）などが新規参入する可能性にも触れ、米司法省ではそうした参入も考慮に入れながら業界の再編を許すだろうと語ったという。なお、ディッシュとT-モバイルとの合併の可能性について、同氏は「確かに利点のある組み合わせ」などとコメントしたとWSJは記している。

【参照情報】
・T-Mobile CFO makes case for U.S. consolidation, Sprint deal - Reuters
・T-Mobile executive calls potential Sprint merger the 'logical ultimate combination' - The Verge
・T-Mobile Still a Believer in Consolidation - WSJ
・T-Mobile CFO floats Sprint merger boat: 'Not if, but when - ZDNet