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携帯キャリア店舗に行くと国民性がわかる

2013.11.28

Updated by Mayumi Tanimoto on November 28, 2013, 08:52 am JST

相変わらずハンガリーです。昨日よりクリスマスマーケットが始まりました。3日前から雪が降っています。

iPhoneを外でも使いますので、ブタペスト到着後に早速VodafoneにプリペイドSIMを買いに行きました。ワタクシはどこの国に行っても、必ず現地の携帯キャリア店舗に行き、現地のSIMをゲットいたします。通信費を節約したいというのもありますが、店舗に行くと、その国のサービス品質というのが手に取るようにわかるからです。

ハンガリーの携帯電話市場というのは、ドイツ・テレコム傘下のTモバイル・ハンガリーT-Mobile、ノルウェーのテレノール傘下のTelenor、イギリスのVodafone の3社で寡占状態です。なんと主要プレーヤー3社が外資という状態です。かつては、マジャール・テレコムが独占事業者でありましたが、移動体部門は現在T-Mobileの傘下です。2012年時点での加入者ベースでのシェアは、T-Mobile 45.83%、Telenor 31.33%、Vodafone 22.84%、となります。

今回は、イギリスで慣れているということもあり、Vodafoneにしました。この国のキャリア店舗の入り口には、案内担当のお姉さんやお兄さんがおります。店に入ろうとするとまずその方が案内してくれてメイアイヘルプユー?と流暢な英語で対応してくれます。メイアイヘルプユー?、「客はゴミ以下」という価値観の欧州西側ではあまり聞き慣れないお言葉です。お姉さん、「私の英語はちょっとなのでソーリー」と言う割にはベラベラです。ソーリーどころではありません。NOVA暦10年みたいな感じです。

そして自動的に印刷される番号札を機械からベリッと取ってくれて「申し訳ありませんが少々お待ち下さい」といわれ、なんと10秒後には順番が回ってきます。機械がぶっ壊れていない上、10秒で呼び出し。詐欺にあっている気がします。

さらに、カウンターに進み、プリペイドSIMを下さいなとお姉さんにお願いすると、再び、「私の英語はちょっとなのでソーリー」というフレーズが登場しますが、お姉さんベラベラです。

もの凄い手際の良さで、プランの説明が始まり、通話100分、データ通信1G合計で3000フォリント(約1300円)を選ぶと、その場でSIMをiPhoneに入れて下さり、厳重にテストした上で設定もすべてやってくれます。その間、10分かかりません。関係書類は几帳面に印刷され、奇麗なファイルと紙袋に入れてくれました。「時間がかかってベリーソーリー」と何度も言うお姉さん。店舗の他の人もなんとなくこちらを心配しています。店舗をでる際には、案内係のお姉さんが「また来て下さいね」と送り出してくれました。なお、以前ブタペストのT-MobileでSIMを購入した際にも大体似た様な丁寧な対応でした。

温泉場や店舗でも、地元の人は開始時間に厳密だったり、外国人のワタクシが現れると、懇切丁寧に料金を説明してくれるなど、なんといいますか、几帳面で真面目な感じの国民性を感じ取れます。ちなみに、この国では、チーズ売りとか、駅の売店の方でさえも、英語がかなりできます。

ちなみに、今年の夏に何度が訪問したフランスでも、大手キャリアの店舗で色々買いましたが、対応が全然違います。まず、入り口に案内係らしきスーツをびしっと決めたイケメン(なぜか大体イケメン)がおりますが、客が話しかけるまで「はははーん」とその辺の人とお喋りして、髪型など気にしています。「えくすきゅーずもええええ」と話しかけると「あーあー、うー、うー、わーっとをんと」とかなり嫌そうな感じで、案内をしてくれますが、カウンターに案内されるまでに、忘れられていたり、20分ぐらい待ったりと「ほんまに商売やる気があるんやろうか」という感じです。そしてやっとカウンターにたどり着いても、英語はあんまり通じません。

通じる人にあったても「このプランはあの、データは平気ですか」と聞きましても「あー私は知らない。自分でこの番号に電話してきけ」と殴り書きのカスタマーサービスの番号を下さいます。自称フランス語がベラベラのはずの家人に「お前電話しろ」と電話させても、意味不明で、結局アクティベーションを諦めたりするという有様で、また店舗にいっても、意思疎通が不可能で堂々巡りという有様です。

ヘタリア国の場合ですが、もうここの場合も大体フランスと同じで、そもそも、プリペイドSIMをくれと店舗で言っても「どこから来た」「何をしているか」「なぜイタリア語を喋るか」みたいなトークから始まりまして。途中で担当の方の携帯にママンから電話が来て、延々と話し込んでいます。「ここはお前の家か」と突っ込みを入れたくなりますが、そこはまあヘタリアさんですので、お約束通りです。全然作業が進まないということがあったりして、プリペイドSIMゲットも凄く面倒くさいんであります。

没落国家イギリスの場合は、怪しいMVNOとか大手キャリアのプリペイドSIMを、路上とか駅で投げやりに配っていたりします。テレクラのティッシュ状態です。スーパーでは独自ブランドのプリペイドSIMを売っていたりします。まるで投げ売りの実話誌です。キャリアの店舗に行きますと、やる気満々すぎるエジプトとかイラク系イギリス人の店員さんがおりまして、超早口で喋りまくり「お前これも買うといい。俺は気に入っているよ。凄くいい!!」と勝手にケースとかお勧めして下さったりします。「困ったらここに電話!」と殴り書きで顧客センターの電話番号を下さったりします。さすが商人国家、三角貿易なイギリスさんです。本当に銭が好きです。というか、なんだか投げやりというか、売った勝ちやねん、という感じが伝わってきますね。

というわけで、欧州の国のごく一部をみても、携帯キャリア店舗の感じはこんなに違う、さらに、店舗を観察していると、なんとなく国民性というか、その国の人々のやる気度がわかるという感じなのです。

「欧米、欧米」と言っている有識者の皆様が、「英語は少しソーリー」の人々と、「困ったらここに電話!」と殴り書きの皆さんを、相変わらず同類項として扱っており、さらに、そこに「今日も俺最高ヒャッハー」と叫んでいるアメリカ合衆国の皆さんを加えてしまうという、飛び道具を駆使されているわけなのですが、どうなんですかね、こういう店舗の違いというのは。

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。

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