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日本通信、データ通信料無料の「スマホ電話SIMフリーData」を月額1560円で提供

2013.11.13

Updated by Naohisa Iwamoto on November 13, 2013, 19:57 pm JST

日本通信は2013年11月13日、データ通信料金を無料にして、音声通話用の基本料金だけで利用できる新しいSIMサービス「スマホ電話SIMフリーData」を11月23日に提供開始すると発表した。月額1560円(税抜き、以下同)の基本料金でデータ通信が使い放題になる。

スマホ電話SIMフリーDataは、090、080、070で始まる携帯電話の電話番号を持ち、音声通話ができるSIMとして提供する。通話料金は30秒ごとに20円と標準的な料金設定にしてある。音声通話の基本料金である月額1560円には、200kbpsに制限されるものの使い放題のデータ通信サービスが含まれている。このため、音声通話と低速のデータ通信ができればいいライトユーザーならば、月額1560円(5%の消費税の場合に1638円)でスマートフォンを利用できる。

高速なデータ通信が必要な場合は、2つの選択肢が用意されている。1つは、「3GB高速データオプション」で、月額1560円を追加で支払うことで3GBまで速度制限なくデータ通信が利用できる。この場合は基本料金と合計した月額3120円で、LTEの高速データ通信サービスを使えるスマートフォンの運用が可能になる。もう1つは、一時的に高速データ通信を使いたい場合に対応する「Turbo Charge」で、100MBの高速データ通信を300円、500MBの場合は1200円で提供する。いずれも90日間有効だ。

▼「スマホ電話SIMフリーData」の各種パッケージ。それぞれに標準SIM、マイクロSIM、ナノSIMのパッケージを用意する20131113_jci002.jpg

利用できるのはNTTドコモのXi、FOMA端末、SIMフリー端末など。SIMパッケージは、イオン版、ヨドバシカメラ版、Amazon.co.jp版、流通版/bマーケット版の4種類を用意し、同時に提供を開始する。それぞれ、標準SIM、マイクロSIM、ナノSIMを提供する。SIMパッケージの料金は日本通信のオンラインショップのbマーケットの価格で3000円。最低利用期間は5カ月、期間内に解約すると8000円の解約金がかかる。

日本通信は、国内のMVNOの先駆けとしてNTTドコモとの相互接続を実現するなど、国内に多くのMVNOが事業展開する下地を作ってきた。今回の「データ通信が無料」という衝撃的なキャッチコピーのサービスは、MVNOの多くがデータ通信用のSIMの価格競争に走る現状に警鐘を鳴らすもの。データ通信を「0円」で提供することで、論理的にはデータ通信用SIMの価格競争に終止符を打ち、今後のMVNOは価格競争ではなく新しい価値の創出に向かうべきというのが同社の主張だ。

一方、スマホ電話SIMフリーDataは、日本通信が提供してきた音声SIM「スマホ電話SIM」のモデルチェンジとも言える。既存の「スマホ電話SIM for LTE」は月額基本料金が1080円(税込み)だった。データ通信を利用する場合には月額980円(税込み)の「月額定額980」を利用すると、150kbpsのサービスが使い放題だった。合計で2060円(税込み)で音声通話150kbpsのサービスを使い放題にできた。新サービスは、データ通信速度を200kbpsに向上させ、高速データ通信オプションを使いやすく整理した上で、既存のサービスを税抜き1560円(税込み1638円)に値下げしたと見ることもできる。いずれにせよ、対応端末さえあれば1000円台半ばで音声通話が可能なスマートフォンを利用できるサービスが登場することは、ユーザーにとって大きなメリットがある。

【報道発表資料】
日本通信、データ通信無料SIMで宣戦布告
日本通信、MVNOの価格競争に終止符を打つ、フリーData

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。