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快進撃を続けるT-モバイル、約20億ドルを調達へ - 新たな周波数帯獲得を視野に

2013.11.13

Updated by WirelessWire News編集部 on November 13, 2013, 12:48 pm JST

米携帯通信市場第4位のT-モバイル(T-Mobile USA)は現地時間11日、約20億ドル分の新株発行計画を発表。調達した資金については、新たな無線周波数帯の獲得に充てるとする可能性が報じられている。

今回の新株発行では、T-モバイルの既存株式全体の9%にあたる6615万株の普通株式が発行される。引き受け先には、モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)、ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)、JPモルガン(JP Morgan Chase & Co.)、クレディ・スイス(Credit Suisse Group AG)、ドイツ銀行(Deutsche Bank AG)の名前が挙がっており、これらの幹事行には最大662万株を追加購入するオプションが与えられるという。

T-モバイルは調達予定の資金の使途について、新たな周波数帯の獲得に利用する可能性を挙げている。ただし、他社が持つ周波数帯を譲り受けるのか、あるいは今後実施される周波数帯オークションへの参加を通じて獲得するかなど詳しいことは明らかにされていない。

T-モバイルはメトロPCS(MetroPCS)との合併が完了した今年5月はじめに上場。それ以降、2四半期連続で加入者数を増やし、株価は上場時から66%も上昇している。

今回の発表について、ニューストリート(New Street)のジョナサン・チャップリン(Jonathan Chaplin)氏というアナリストは、Reutersに対し、米政府が2014年以降に実施を予定する新たな周波数帯オークションにはまだ時間があることを踏まえ、「意外なタイミング」と述べている。また、同氏はまた、昨年経営破綻したライトスクェアード(LightSquared)が保有する無線周波数帯のオークションが近々あることに触れつつ、T-モバイルが入札に参加する可能性は低そうだとしている。

T-モバイルは11月上旬に行った7-9月期決算発表のなかで、同期中の新規契約者件数が約102万件(うちポストペイド加入者は約65万件)となり、全体の契約件数は約4500万人と、3位のスプリント(Sprint)との差を1000万人程度まで縮めてきていることや、LTE網の展開では開始から8ヶ月間で人口カバー率がすでに20億300万(254市場)に達し、来年には上位25市場のうち少なくとも22市場で帯域幅を40MHzに倍増させる考えがあることなどを明らかにしていた。

10月末にBusinessweekが掲載してたT-モバイルの特集記事には、「uncarrier」(脱通信キャリア化)のスローガンのもとに低価格化戦略などを打ち出し、また念願のiPhone取り扱い開始など新たな施策を通じて
加入者数を伸ばしている同社について、さらなる周波数帯の確保が今後最大の課題になるとする指摘がみられる。

【参照情報】
T-Mobile US could raise almost $2 billion for spectrum purchases - Reuters
T-Mobile to Sell $1.8 Billion in Stock to Buy Airwaves - Bloomberg
T-Mobile Raises War Chest For Spectrum - WSJ
T-Mobile US: 1M net customers, 5.6M smartphone sales - ZDNet
T-Mobile doubles its LTE speeds, capacity in at least 40 major cities - GigaOM
T-Mobile's Wacky Plan to Trash the Wireless Business Model - Businessweek

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