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健康のフェイスブック

2013.11.14

Updated by Kenji Nobukuni on November 14, 2013, 18:30 pm JST

Prevently
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Prevently(マサチューセッツ州ケンブリッジ)というスタートアップ企業は、10月25日から消費者向けに健康関連コンテンツをウェブで提供するだけでなく、健康関連の商品を販売し、遠隔診療サービスを提供し、オンラインの個人健康記録や健康に関するソーシャル・ネットワークを合わせて提供している。

健康関連事業がインターネット時代の次の大きな波(ネクスト・ビッグ・シング)であると考える起業家は多い。Preventlyはコンテンツをハーバード大学医学大学院(Harvard Medical School)から提供されており、内容を現職の医師たちがきちんとレビューしてから公開している。

健康関連製品のセクションでは医師たちが安全性と品質について査読済みの健康食品、ヘルスケア製品、サプリメントに関わる情報が掲載されている。個人健康記録はFitbit、Jawbone UP、Nike Fuelbandなど各社の健康トラッカー(活動量計)や体重計のデータをアップロードできる。テレメディスン(遠隔診療)ポータルには栄養士とのビデオチャットや、個人健康記録を栄養士や医師にモニタリングしてもらう有料サービスがある。ソーシャル・ネットワーキングは他の利用者とプロフィールや健康上のゴールを共有し、モチベーションを維持させる。

スタートアップのサービスとしては機能が豊富だが、利用者のターゲットは比較的年齢が高い層なのでユーザ・インタフェースはシンプルで親しみやすいデザインになっている。

Preventlyの起業家はハーバード大の卒業生でまだ若く、恐らく自分の両親の世代に向けてサービスを開発している。若者の本家フェイスブックへの関心が下がっているのではないかという報道があるようだが、逆に中高年はフェイスブックを社会との重要な接点として活用しているようで、Preventlyは人々の心をつかむかも知れない。Eコマースや一部の有料サービスで収益を上げるモデルのようだが、当面はウェブ版のみ。モバイル版は開発中とのこと。

【参照情報】
Preventlyのウェブサイト
Harvard Grads Promising The 'Facebook of Health'
Prevently.com launches this Friday, aims to become "Facebook of Health"
Prevently aims to combine video visits, wearable sensors, social network

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信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。 訳書:「Asterisk:テレフォニーの未来