米国家安全保障局（National Security Agency：以下、NSA）による広汎な情報収集活動に関して、NSAが全世界で携帯電話の位置情報データを収集しており、その量が毎日50億件にも上るとする話をWashington Post（WaPo）が報じている。

WaPoによると、NSAのこの取り組みはデータを集めた端末（利用者）の数が少なくとも数億に上るなど、現在までに明らかにされたNSAの情報収集活動のなかでももっとも大規模なものだという。また、特定個人の居場所を追跡したり、マークした人物と接触した可能性のある人間を特定するためのデータ解析技術（「CO-TRAVELER」と呼ばれているという）なども開発・導入されているという｡

NSAによる広汎な情報収集・分析活動については今年9月、主要なスマートフォンのユーザーデータも収集の対象となっているとする可能性が浮上。ユーザーの連絡先情報やSMSのメッセージ、メモや位置情報などが収集されたとする例も報じられていた。

NSAをはじめとする各国諜報機関の情報収集活動に対して、プライバシー侵害を懸念する一部のネットユーザーの間では、PCでのネット利用時に「Tor」のような仕組みを使って通信の匿名化をはかる動きも拡がっているとされるが、今回明らかになった類いの取り組みに対しては、端末の電源をオフにする以外に対抗策がないとする人権擁護団体関係者の声も紹介されている。

【参照情報】
・NSA tracking cellphone locations worldwide, Snowden documents show - Washington Post
・How the NSA is tracking people right now - Washington Post
・NSA collects 5 billion cell location records a day, Snowden leaks say - ZDNet
・The NSA tracks the location of hundreds of millions of phones - The Verge