米携帯通信事業者の業界団体CTIA（Cellular Telecommunications Industry Association）が現地時間23日、新しい責任者にメレディス・アトウェル・ベイカー（Meredith Attwell Baker）元FCC委員を任命した。昨年10月に退任の意向を明らかにしていたスティーブ・ラージェント（Steve Largent）現プレジデント兼CEOの後任として，6月2日から新たな職務に就くという。

ベイカー氏は、長らく共和党系のロビイストとして活動してきた人物で、1998-2000年にはCTIAで「議会担当ディレクター」を務めた経験の持ち主。また2004年から籍を置いたNTIA（National Telecommunications and Information Administration、米商務省内の通信情報担当部門）時代には、PtoPのトラフィックを遮断したコムキャスト（Comcast）の肩を持ち，FCC（米連邦通信委員会）とやり合ったこともあったという。

さらに、FCCコミッショナー在任中（2009年7月〜2011年6月）には通信・ケーブル事業者の利害を代表する形で「ネットワーク中立性」ルールに反対。また、コムキャストによるNBCユニバーサル（NBCUniversal）買収を支持したが、FCCの買収承認からわずか数ヶ月後にコムキャストに「天下り」したとして、一部の消費者団体などから激しい批判を浴びていた。

コムキャストでは，対連邦政府の窓口となる同社のワシントンDCオフィスに籍を置き、政府担当上級副社長（SVP）を務めていた。

なお、同氏の配偶者はジェームズ・ベイカー元国務長官の子息。

【参照情報】
・Meredith Attwell Baker Named Chief Executive Officer of CTIA-The Wireless Association - CTIA
・CTIA picks former FCC Commissioner as the mobile industry's chief lobbyist - GigaOM
・Wireless lobby group names former FCC member Baker as president - Washington Post
・Meredith Baker Exits Comcast for Wireless Lobby - AdWeek
・Meredith Attwell Baker, FCC Commissioner, Joins NBCUniversal 4 Months After Approving Comcast Merger - Huffinton Post
・FCC Commissioner Baker Headed for NBCU - AdWeek