フェイスブック（Facebook）は米国時間30日、サンフランシスコで開催した開発者向けイベント「F8 Conference」のなかで、独自のモバイル広告ネットワーク「Facebook Audience Network（FAN）」を発表した。

フェイスブックは一昨年の株式公開前からモバイル分野の取り組みに重点をシフトしてきており、昨年後半からは売上面などにその成果が現れつつある。今回発表したFANは、同社の広告掲載範囲を外部の第三者アプリ/サービスにまで拡げるための取り組みで、同分野で先行するグーグル（Google）や、昨年秋に「MoPub」を買収していたツイッター（Twitter）などと競合することになる。

フェイスブックは2012年からFANを実験的に運用してきており、今後数カ月の間に正式な提供を開始する予定。現時点で掲載可能な広告商品は、通常のバナー（画面下に表示される横長の）広告、全面表示（インタースティシャル）広告、それにネイティブ広告の3種類。

イーマーケター（eMarketer）が今年3月に公表していたレポートによると、世界のモバイル広告市場は2013年に179億6000万ドル規模に達し、さらに今年は314億5000万ドル程度まで成長する見通し（成長率75.15%）。そのなかで、フェイスブックのシェアは17.5％から21.7％へと増加が見込まれるいっぽうで、グーグルのシェアは49.3％から46.8％へ低下すると予想されている。

F8 Conferenceではそのほか、Facebookユーザーが第三者製アプリに匿名でログインできる新機能や、ネイティブアプリ間のリンクを容易にする「App Links」というクロスプラットホームの仕組みも発表された。App Linksは、Facebook製アプリのほか、Dropbox、Spotify、Pinterest、Goodreadsなどの他社製アプリでも対応を表明している。

【参照情報】
・Facebook launches mobile advertising network to target you across apps - The Verge
・Facebook Audience Network Mobile Ad Network Launches At f8 - TechCrunch
・Facebook launches mobile ad network to vie with Google, Twitter - Reuters
・Facebook will let users log into third-party apps anonymously - The Verge
・Facebook backs App Links for app-to-app linking on mobiles - GigaOM