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「パブロフの犬」を超えて

2014.05.29

Updated by Kenji Nobukuni on May 29, 2014, 10:00 am UTC

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「パブロフの犬」というのは条件反射の存在を示した実験のことで、犬にベルを鳴らしてから餌を与え続けると、ベルを聴かせただけで唾液を分泌するというものだが、カリフォルニア州サンディエゴのスタートアップ、クレバーペット社(CleverPet)のクレバーペットは条件反射ではない犬の反応を引き出す教育をしてくれるようだ。

ADSLなど家庭にブロードバンド常時接続が整い始めてから、一人暮らしのペット・オーナーを中心に、不在時にペットの様子をウェブカメラなどで見たいとか、飼い主の声を聞かせたいというニーズが顕在化したようで、そのための製品がいくつも世に出ている。中にはレーザーポインターを遠隔操作して、自宅で留守番している犬と遊べる機器まである。クレバーペットは、ペットの犬のための「ゲームコンソール」であり、教育機器でもあるらしい。

クレバーペットはWiFi接続機器で、飼い主が不在の間、一日中、自律的にペットの犬を楽しませ、教育もしてくれるという。行動科学に基づいたアルゴリズムを用い、犬が何かを学ぶたびに報酬(=餌)を与える。犬の前足と鼻で触れるために設計された3つのタッチパッドを使い、ペットの習熟度に合わせて課題を出して、報酬を与える。

難易度は4段階で、第一段階はフリー・フード。ときどき、何もしなくても餌が出てくる。第二段階は、どのタッチパッドに触れても餌が出る。第三段階では特定のタッチパッドに触れると餌。第四段階になると本格的なゲームで、タッチパッドの色の変化に対応しなければならない。色が変わったら触れる、3つのうち1つだけ違う色を選ぶ、光ったところを追いかけて押すなどの課題をこなすと餌が貰える。「青にタッチ」「右にタッチ」といった音声に反応させるゲームもある。

十分な量の餌(ドライ・タイプのドッグフード)を蓄えることができるが、餌を与え過ぎない工夫もなされている。完全に自動で動作するが、遠隔監視も可能。スピーカーから飼い主の声を聞かせることもできる。またスマートフォンのアプリで進捗状況を確認することもできる。

Kickstarterで資金調達に成功しており、7月発売予定で価格は199ドル(予約価格は159ドル)。カリフォルニア大学サンディエゴ校で認知科学の博士課程にいるLeo Trottier氏の発案に同校の多くの博士や学生が参画している。Arduino対応で、RESTのAPIも提供されているから、自分でコードを書いて、ペットにさらに難しい課題に挑戦してもらうことも可能とのこと。

【参照情報】
CleverPetのウェブサイト
Kickstarterのページ

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信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。 訳書:「Asterisk:テレフォニーの未来

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