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[2014年第22週]格安SIM・格安SIM続々、ドコモがiPad発売、Firefox OSの開発者用端末も

2014.06.03

Updated by Naohisa Iwamoto on June 3, 2014, 09:30 am JST

5月の最終週となる2014年第22週は、モバイル関連のニュースが多い一週間だった。話題の格安SIM、格安スマホには、音声付きサービスに新しくU-NEXTが名乗りを上げ、さらにファーウェイ・ジャパンの「Ascend G6」が国内でSIMロックフリー端末として販売されるというニュースが流れた。格安にスマホを運用できる状況が着々と広まりつつある。また、NTTドコモがiPadを販売するニュース、グーグルがテレビ用端末のChromecastを国内で発売したニュース、Firefox OSの開発者用端末が国内販売されるトピックなど盛りだくさんだった。

格安SIM、格安SIM、広がるサービス、高まる認知

格安SIM、格安スマホのトピックから紹介していく。まずU-NEXTが音声付き格安SIMとSIMロックフリー端末を提供するという話題から見ていこう。U-NEXTは、2014年7月1日に音声機能付き格安高速データ通信サービス「U-mobile」(ユーモバイル、)の受付を開始し、サービスを7月中に提供する。同時にSIMロックフリーのスマートフォン端末も提供を開始する。端末はLTE対応のハイスペックなスマートフォン「Ascend G6」(ファーウェイ・ジャパン製)と、3G対応のエントリー向けスマートフォンの「freetel priori」(プラスワン・マーケティング製)の2機種を用意。Ascend G6と音声対応SIMのセットの場合、1GB以下と3GB以下の2段階定額制で月額2901円(税抜き、端末代金の24回払いを含む、以下同)から、3GB以下の定額制で月額3221円。音声付きSIMカードだけの場合は2段階定額制で月額1660円から、3GB以下の定額制で月額1980円など。通話料は30秒ごとに20円となる(報道発表資料:通信業界のLCCサービス「U-mobile」がハイスペックかつ格安なスマートフォンを提供開始)。

Ascend G6
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同じく、ファーウェイ・ジャパンが提供するLTE通信対応Androidスマートフォン「Ascend G6」(アセンド G6)をインターネットイニシアティブ(IIJ)が取り扱いを開始するというニュースもあった。IIJでは、ビックカメラグループ(ビックカメラ、コジマ、ソフマップ)にAscend G6を供給する。希望小売価格は2万9800円とのことだ(報道発表資料:IIJ、SIMロックフリー端末の取り扱いを開始)。

6月3日にサービスを開始する格安SIMサービス「mineo」を発表したケイ・オプティコムは、5月15日から受付を開始した先行予約キャンペーンの好調ぶりを伝えている。1000台の端末セット予約キャンペーンは、受付開始翌朝に予定数に達した。また6カ月間にわたり980円の月額基本料が割り引かれる先行予約キャンペーンは、5月29日に予約が1万人を超えた。MVNOの格安SIMや格安スマホの認知が急速に高まっていることを裏付ける状況だ。

MVNOの認知が高まっていることは、MMD研究所の調査からも見えてくる。同社が15歳以上の男女934人を対象に実施した「2014年MVNOと次期iPhoneに関する興味度調査」で、MVNO各社が提供している低価格SIMカードについて聞いたところ、31.9%の人が「言葉だけではなく意味までわかる」と回答し、43.3%の人が「なんとなくわかる程度」と回答した。合計で回答者の75.2%が低価格SIMカードを認知していることがわかった。また、低価格SIMに「すごく興味がある」との回答が14.3%、「興味がある」が27.9%となり、合計で回答者の42.3%が低価格SIMカードに興味を持っていることがわかった。一方で、今後登場が見込まれる次期iPhoneシリーズについて興味があるかを尋ねたところ、「すごく興味がある」が23.9%、「興味がある」が29.6%となり、回答者の53.4%が次期iPhoneに興味を示しているという結果が得られた(報道発表資料:MVNO興味度は42.3%、次期iPhoneへの興味度は53.4%)。

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ドコモ、遂にiPad発売へ、ネットワーク仮想化の実験も

NTTドコモに関連するトピックを3つ紹介する。まず、iPadの発売について。NTTドコモとアップルは、iPad AirとiPad mini Retinaディスプレイモデルを6月10日に発売すると発表した。iPhoneに続き、タブレットでも大手キャリアが「3社横並び」の製品ラインアップを用意することになる。月々サポートによる割引を相殺すると、毎月の実質負担金はiPad mini Retinaディスプレイモデルの16GBモデルでは0円、iPad Airの16GBモデルでは270円となる(以上、税込み)。iPadは、ドコモの新料金プランに対応し、パケット通信のデータ通信量を家族などと分け合えるため、最低で月額2500円から利用できる(関連記事:ドコモ、6月10日にiPadを発売、新プランのパケット分け合いにも対応)。

次世代型のネットワークへの研究成果としてNTTドコモは、ネットワーク仮想化技術に関する実証実験に成功したと発表した。ネットワーク仮想化技術は、通信混雑時に通信のつながりやすさを向上させ、今後の新たな通信サービスを迅速に提供するもの。実証実験ではLTEのデータ通信機能の中核を担うEPC(Evolved Packet Core)のソフトウエアに仮想化技術を提供し、動作を確認した。さらに処理能力の増強や故障時の予備構成の再構成についても動作を確認した。実験は、Alcatel-Lucent、シスコシステムズ、NECの3社と実施した(報道発表資料:世界主要ベンダー3社とネットワーク仮想化の実証実験に成功
)。

モバイルネットワークを利用した動画配信ガイドライン 〜効率的な動画配信に向けて〜(PDF)
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またNTTドコモは、スマートフォンやタブレットで快適に動画サービスが受けられるようにするための「動画配信ガイドライン」をコンテンツプロバイダー向けに作成し、公開した。内容は「背景や技術動向の解説」「配信指針」「ドコモの運用事例」で構成され、次世代の動画圧縮技術「H.265/HEVC」利用の際の解像度やビットレートの提案などに関する項目もあり、コンテンツプロバイダーに端末やネットワークに最適化した動画配信を求めていく(関連記事:ドコモ、「HEVC」などで効率的な動画配信を実現するためのガイドライン)。

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ソフトバンク、孫社長が米国で講演、ウィルコムは定額の新オプション

ソフトバンクグループの話題も2つ紹介しよう。スプリント(Sprint)の会長を務めるソフトバンクの孫正義社長は、Re/codeの主催する「Code Conference」に登場し、米国の貧弱なブロードバンド市場の現状や携帯通信市場の寡占状態などを批判したという。Re/codeによると、孫氏は「大手通信事業者による寡占状態がさらに強まることを米規制当局は看過している」と、「そうした規制のあり方は間違い」などと発言。また「米国居住者がブロードバンドの現状に満足しているのは、諸外国の事情を知らないだけ(北京の住人が灰色の空しか知らないのと一緒)」「私のような(余所から来た)者からすると、米国人はこんなブロードバンド・サービスでよく暮らしていけるな、と思わずにいられない」などとした上で、「米国の市民や投資家は、そうした独占・寡占状況を放っておくべきではない」などと述べたという(関連記事:ソフトバンク孫氏、Codeカンファレンス登場 - スプリントのT-モバイル合併に向けてアピール(動画付き))。

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ウィルコムがイー・アクセスとの合併直前に最後の「発表」。ウィルコムは2014年5月30日、月額1500円のオプションサービス「スーパーだれとでも定額」を6月1日に開始すると発表した。1500円のオプション料金を支払うことで、国内通話、パケット通信量がいずれも無料になる。「新ウィルコム定額プランS」(月額1381円)と組み合わせた場合は、2881円の月額料金で国内通話とパケット通信が使い放題になる。ウィルコムは6月1日にイー・アクセスと合併した後も、サービス、商品は継続して提供するとしている(関連記事:ウィルコム、1500円で国内通話とPHSパケット通信が無制限になる「スーパーだれとでも定額」)。

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Chromecast、Firefox OS開発者用端末が国内発売

この週は注目したいトピックが多かった。それらを一挙に紹介する。

グーグルは、テレビに接続して映像コンテンツなどを楽しめるストリーム用端末「Chromecast」を5月28日に発売した。価格は4200円(税抜き)で、Google Play、家電量販店、ECサイトで販売する。当初対応するのは、Google Playの映画、テレビ番組などのコンテンツと、YouTubeの動画。また、NTTドコモは定額制動画配信サービス「dビデオ powered by BeeTV」(月額500円)が、KDDIも映像見放題サービス「ビデオパス」(月額562円)が、Chromecastに対応することを発表した。Android端末だけでなく、iOSの端末からも利用できるのがうれしいところだ(関連記事:グーグル、テレビでコンテンツを楽しめるChromecastを5月28日発売、「dビデオ」「ビデオパス」も対応)。

Firefox OS搭載端末の登場が近づいてきたことを予感させるニュースもあった。Mozilla Japanは、Firefox OSの開発者用端末の国内発売が決定したと発表した。Firefox OSのリファレンス端末Flameの先行予約開始が告知されたが、日本の開発者向けにはTELEC(技適)やJATEの認証を受けた端末を別途販売すると案内している。日本での発売元や価格、購入方法などについては後日サイト上で告知する。情報希望者にはメールで案内するとのこと(関連記事:Mozilla Japan、Firefox OS開発者用端末の国内発売決定を発表)。

O2Oなどで話題のBeaconに新製品が発表された。アプリックスIPホールディングスは、Bluetooth Smart(Bluetooth Low Energy)の通信モジュールを2つ搭載することにより、Beaconとしての機能と不正アクセス防止や成りすまし防止などの電子認証、位置情報やURLのデータストレージとしての機能を同時に実現する「MyBeacon Proシリーズ」の発売を開始した。通信モジュールの制御により、全体の消費電力は通信モジュールが1つの場合と同レベルに抑えた。同シリーズの最初の製品であるMyBeacon Pro MB004は、10台ロットで1台あたり1000円、2万台ロットで1台あたり500円(税別、送料別)。同社はMyBeaconシリーズを使った場合の電子認証サービスの料金も提示した。不正アクセス防止システム利用料は無料、成りすまし防止システム利用料は基本認証(リージョン)が無料、拡張認証(タッチ)が1回1円(月間10万トランザクション以上)となる(報道発表資料:規格に適合したBeaconとして世界で唯一成りすまし防止機能を搭載した「MyBeacon Proシリーズ」を発売開始

M2Mの手軽な構築を支援するサービスがインターネットイニシアティブ(IIJ)から。同社は、M2Mシステム構築に必要なインフラや開発環境をクラウド上のプラットフォームとして提供する「IIJ GIO M2Mプラットフォームサービス」を提供する。プログラミングが不要でドラッグアンドドロップの操作でアプリケーションを開発できる「ThingWorxプラットフォーム」を開発基盤として採用。プログラミングに精通した技術者がいなくてもシステムの開発・導入が可能になる。また、APIを提供することで、利用者の業務システムや外部システムとデータ連携が可能になり、ビッグデータ活用やデータ解析によるサービスレベルの向上や業務効率の向上につなげられる(関連記事:IIJ、M2Mのシステムをノンプログラミングで構築できるクラウド型プラットフォームを提供

災害時の公衆無線LAN利用にガイドライン。無線LANビジネス推進連絡会(以下連絡会)は、「大規模災害発生時における公衆無線LANの無料開放に関するガイドライン」(以下ガイドライン)を公表した。公表されたガイドラインは、連絡会が2013年9月に釜石市、仙台市で実施した実証実験をもとに策定したもの。公衆無線LANを提供する各事業者等が、大規模災害の発生に備えて検討すべき対応措置や留意事項について明らかにしている。実際の無料開放の判断は、携帯インフラの被災状況や復旧見込みなどを勘案して、通信事業者が主体的に判断することを明記した。SSIDについては、災害用統一SSIDとして「00000JAPAN」(ファイブ・ゼロ・ジャパン)を規定した。キャリアWi-FiのSSIDを配信しているエリアであれば、日本全国どこでも統一のIDで、他社のアクセスポイントにも接続できるようになる(関連記事:大規模災害時にはWi-Fiで「00000JAPAN」に接続 −無線LANビジネス推進連絡会がガイドラインを公表)。

昨年の第22週のできごと

・つながらない!? auの4G LTE
・電話帳でSNS、イオンで「ほぼスマホ」、ドコモでJTB旅行
・災害時につながるネットワーク、データ通信はドコモに軍配

[2013年第22週]auの4G LTEで相次ぐトラブル、ソフトバンクがSNSや連絡先を一括管理できるアプリ提供

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。