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アメリカ・モビル、メキシコ国内の事業を分割へ - 独占禁止規制に対応

2014.07.09

Updated by WirelessWire News編集部 on July 9, 2014, 18:06 pm JST

中南米最大の通信事業者であるアメリカ・モビル(America Movil)が8日(メキシコ時間)、メキシコ国内での事業の一部売却を取締役会で決定したという。同国で予定される独占禁止関連の新たな規制導入を受けた動きとされている。

アメリカ・モビルによれば、これらの資産は同社が設立を予定する新会社に売却される見込みで、売却完了後には既存会社・新会社ともに市場シェアはそれぞれ50%以下になるという。また、同社は無線基地局資産の切り離しや衛星テレビ事業者ディッシュ・メキシコ(Dish Mexico)の獲得権放棄なども行う予定とされている。なお、現時点では同社が売却を予定する資産の具体的内容は明かされていない。

アメリカ・モビルはメキシコで、グループ企業のテルメックス(Telmex)、テルセル(Telcel)を通じて、有線通信市場の80%、無線通信市場の70%を押さえていた。それに対し、2012年に発足したエンリケ・ペニャ政権はメキシコ経済の促進策として、市場での競争促進を進めるとする公約を掲げていることから、同政権の発足以来アメリカ・モビルの時価総額は170億ドルも減少したとBloombergは記している。

メキシコ議会では現在、アメリカ・モビルならびにグループ会社の運営する事業について、通信料金の規制や通信インフラの他社への解放、他社ネットワークとの接続にかかる料金の廃止などが検討されている。また来年からはすべての事業者を対象に、長距離電話料金の請求禁止や販売促進を目的とした一方的な売り込み禁止なども措置も講じられることになっている。なお、アメリカ・モビルに対しては、同社の市場占有率を50%以下まで引き下げることで、こうした規制を緩和できるとする内容の法案が議会に提出されているという。

【参照情報】
America Movil to Break Up Mexico Unit Amid Regulator Demands - Bloomberg
America Movil aims to cut Mexico market share below 50 percent - Reuters

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