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中国メーカーOPPO:インドネシアに工場設立

2014.08.07

Updated by Hitoshi Sato on August 7, 2014, 12:27 pm JST

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中国のスマートフォンメーカーOPPOがインドネシアのジャワ島西部に工場を設立し、現地でスマートフォンの生産を行っていくと報じられている。

OPPOは中国国内だけでなく、東南アジア諸国への進出を積極的に進めている。OPPOは2013年4月にインドネシア市場に進出し、毎月20万台のスマートフォンをインドネシアで販売しており、OPPOにとっては中国市場に次いで2番目に大きな市場である。

OPPOのインドネシア支店長のJet Lee氏によると、インドネシアの新工場ではインドネシア市場向けのスマートフォンを1年間に500万台~1,000万台の生産を予定しているとのこと。今後は、インドネシアの工場で生産したスマートフォンを東南アジア市場で展開を行っていく予定もある。タイではすでにOPPOは人気スマホブランドの1つである(参考:タイで台頭するOPPOのスマートフォン)。 また、インド市場への進出も目指している(参考:中国メーカーOPPOも狙うインド市場)。

インドネシアでは携帯電話、スマートフォンの多くは輸入品であり、2013年には年間で6,200万台の携帯電話が輸入された。そして、2014年上期(6か月)で既に2,700万台の携帯電話が輸入されている。そのことから現地で工場を設立することによってコスト削減を目指すメーカーが目立っている。中国メーカーではHaierも同国に工場を設立した(参考:中国家電メーカーHaier、インドネシアで携帯電話の工場設立)。

インドネシアの地場メーカーの工場設立も進んでいる。「Polytron」のブランドでスマートフォンを提供しているPT Hartono Istana Teknologiはジャワ島中部クドゥスに工場を設立し、1か月に携帯電話10万台、スマートフォン100万台を生産している。また「Axioo」のブランドでタブレット、スマートフォンを提供するPT Teradata Indonusaや、「Advan」のブランドでタブレットを提供するPT Arga Mas Lestariも新たに工場設立を行っている。日本では知らない人が多いだろうが、インドネシアではそれなりの知名度のあるブランドである。さらにPT Sat Nusapersadaはバタム島の工場で4Gスマートフォンの生産を2014年7月から開始している。

インドネシアは人口2億5,000万人の東南アジア最大の国で、スマートフォンの出荷も急拡大している。輸入してコストが高くなるよりも、現地で生産した方が効率的である。インドネシアでの雇用拡大にもつながっている。インドネシアでのスマートフォン生産、販売競争はまだまだ続きそうである。そして残念ながらそこに日本メーカーが入り込む余地は見当たらない。

【参照情報】
China's leading smartphone maker to build plant in RI this year
China's Oppo Looking to Indonesia for Next Handset Factory
Polytron
Axioo
Advan

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。

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