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アップル、モバイル決済関連でポイント制度を実験導入か(Bank Innovation報道)

2014.09.09

Updated by WirelessWire News編集部 on September 9, 2014, 10:26 am JST

アップル(Apple)が次期モバイルOS「iOS 8」に搭載するとみられるモバイル決済システム(「iWallet」)の提供に合わせて、ユーザー向けのポイント・プログラムを実験的に導入するとの可能性が浮上している。米国時間8日にBank Innovationブログが情報筋の話として伝えた。

同ブログによると、アップルではiWalletの普及を促すために複数の小売チェーンや他のサービス事業者とポイント制度に関する提携交渉を進めてきたという。交渉相手のひとつとして、世界的ホテルチェーンのIHGインターナショナル(IHG International)の具体名も挙げられている。また同ブログは別の例証として、アップルがiTunesでパートナー向けのマーケティングを担当する上級幹部の求人募集を行っていることも挙げている。

iOS対応端末向けには、すでに複数の事業者が個別に提供するアプリの一部としてポイントの付加・利用を実現している例もあるが、アップル自体がポイント制度をiOSに実装してきた場合に、これらの他社の取り組みとどう連携することになるのかなどの詳細は、Bank Innovation記事からは分からない。ただし、自社の決済取引に関し、カード発行会社および決済会社との間にアップルが割って入ることをおもしろく思わない小売業者などに対し、アップルが一種の融和策としてポイント制度を提供しようとしているとの考えも記されている。iWalletによる支払いに対応した小売業者などでは、このポイント制度を通じて売上の拡大を期待できる、というのがその理由。

アップルのモバイル決済システムについては、同社が米国時間9月9日に行う製品発表会での披露が予想される「iPhone 6」および「iWatch」にNFC(近距離無線通信)ベースの非接触式決済機能を搭載してくる可能性がすでに浮上している。また同社がこの決済機能の展開にあたり、ビザ(Visa)、マスターカード(MasterCard)、アメリカン・エクスプレス(American Express)の大手クレジットカード会社3社と提携したとの報道もすでに流れている。さらに米ノードストローム(Nordstrom、高級百貨店チェーン)や米のディズニーストアでは「iWallet」に対応するPOS端末やiBeacon用発信機のアップグレードが行われたといった話も伝えられている。

経営コンサルティング会社ベイン(Bain)のまとめた調査によると、いわゆる「おサイフケータイ」機能を使った決済の利用者は米国では消費者全体の3%、欧州でも7%に留まっているが、すでに8億件のiTunesユーザーアカウントをもつアップルの参入によって同機能の普及・利用がいっきに進むとの期待が高まっている。

【参照情報】
Apple to Launch Pilot Program For Merchant Partnership - Bank Innovation
Apple rumored to launch loyalty rewards program alongside mobile payments system - Apple Insider
Apple may be working on rewards system for mobile payments - SlashGear

Apple and Disney Stores upgrading iBeacons and NFC scanners ahead of iPhone 6 launch - 9to5Mac
Why Apple's mobile-payments system might actually work - QUARTZ

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