アップルが米国時間9日に行なった製品発表会のなかで、最新型スマートフォン「iPhone 6」および「iPhone 6 Plus」を発表。最新モデルは噂通りこれまでより大きな4.7インチと5.5インチの2モデルが提供され、バッテリー持続時間やカメラ機能の改良、モバイル決済機能の追加など様々なアップデートが施されている。

「iPhone 6」は4.7インチの「Retina HD」ディスプレイ（解像度1334×750ピクセル）と新たな「A8」プロセッサ（「A7」から13%小型化、25%高速化）を搭載。ボディの形状は「iPad」や「iPad mini」に近い丸みを帯びたものとなっており、薄さはこれまでで最薄の6.9mmとなっている。また電源ボタンは新たに側面部に移動。バッテリー持続時間は3GやLTEの利用では前モデルの「iPhone 5s」と同じ10時間だが、連続動画視聴時間や連続通話時間はそれぞれ数時間長くなっている。

いっぽう、「iPhone 6 Plus」は5.5インチの「Retina HD」ディスプレイ（解像度1920×1080ピクセル）とA8プロセッサを搭載。ボディの形状は「iPhone 6」と同じで薄さは7.1mmとなっている。バッテリーについては「iPhone 6」より長く、3G通話で24時間、LTE/WiFiのインターネット利用で12時間、ビデオ視聴で14時間などとなっている。

それぞれの内蔵カメラについては、背面カメラが8メガピクセルのF2.2、デュアルLEDフラッシュとデジタル手ぶれ補正機能（「iPhone 6 Plus」は光学手ぶれ補正機能）を搭載。オートフォーカス機能が改善され、オートフォーカス速度は前モデルの2倍になったという。ビデオ機能もアップデートされ、1080pの動画を1秒あたり30または60フレームで撮影できるほか、スローモーション撮影は1秒あたり240フレームでの撮影に対応。パノラマ写真はこれまでの28メガから43メガになっている。なお、前面カメラについてもF2.2の新たなセンサーが搭載され、これまでより81%明るい写真が撮影できるという。

また、ソフトウェアは「iOS 8」で動作し、「HealthKit」など様々な新アプリに加え、NFC（近距離無線通信）を使用したモバイル決済機能「Apple Pay」も搭載。同決済サービスはアメリカン・エキスプレス（American Express）、マスターカード（MasterCard）、ビザ（Visa）の大手クレジットカード3社、米国の大手銀行6社と提携。手始めにサブウェイやマクドナルド、ウォルグリーンズ（Walgleen）メイシーズ（Macy's）など全米2万2000件の小売店が同サービスに対応するという。

対応ネットワークについては、150MbpsまでのLTE Advancedネットワーク、世界各国20のLTEバンドに対応するほか、VoLTEやキャリアアグリゲーションなどの新たなネットワーク技術にも対応する。また、Wi-Fi機能が強化され、前モデルより最高3倍のダウンロード速度を実現しているという。

なお、「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」ともに9月11日に予約を開始し、19日に発売の予定。まずは米国、英国、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、香港、プエルトリコ、シンガポールの9か国でリリースされ、年末までに販売地域を115カ国まで拡大するという。価格については、「iPhone 6」の16GBモデルが2年契約で199ドルから、「iPhone 6 Plus」の16GBモデルが同299ドルからとなっている（いずれも最大128ギガバイトまでのモデルが提供される）。

【参照情報】
・iPhone 6 announced: 4.7-inch display, A8 processor, 8-megapixel camera, available September 19th for $199 - The Verge
・iPhone 6 Plus with 5.5-inch Retina HD display announced, starting at $299 - The Verge
・Apple announces two bigger and faster phones: the iPhone 6 and the iPhone 6 Plus - GigaOM