カナダのブラックベリー（BlackBerry）が現地時間11日、モバイル端末向けのバーチャルSIM技術を開発する英国のモヴィルトゥ（Movirtu）を買収したことを明らかにした。

モヴィルトゥが開発する技術は、1台の携帯通信端末でプライベート用とビジネス用の2つの番号（回線）を利用できるようにするもの。同社の技術を使えば、音声通話やデータ、メッセージなどの使用料金を回線ごとに別々に計算でき、ユーザーはひとつの端末を私用と仕事用の両方で使い回せるメリットが生まれるという。また、企業の従業員が労働時間外に個人的な用事で会社支給の端末を使うこともモヴィルトゥの技術で防止できると、ブラックベリーの幹部は説明しているという。

モヴィルトゥは現在、BlackBerryのほか、iOSやAndroid OS向けにも同技術を提供しており、ブラックベリーによる買収後も主要プラットフォームへの対応を続けていくとしている。

スマートフォン市場でのシェア縮小が続くブラックベリーは、法人向けサービスの拡大を目指しており、モバイル端末のBYOD（Bring Your Own Device：従業員が会社の業務に私物の端末を使用すること）ソリューションにも力を入れている。同社は7月に音声・データ通信の暗号化技術を提供するドイツのセキュスマート（Secusmart）を買収するなど、このところ小規模な買収を続けて来ている。

【参照情報】
・BlackBerry buys UK mobile technology start-up Movirtu - Reuters
・BlackBerry acquires virtual SIM startup Movirtu, plans to support 'all major smartphone operating systems' - TNW
・BlackBerry buys Movirtu for multinumber phone service - CNET