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[2014年第49週]京都の公衆Wi-Fi、訪日外国人向けBeacon、スマートニュースが広告参入

2014.12.08

Updated by Naohisa Iwamoto on December 8, 2014, 16:30 pm JST

12月に入り、世界を揺るがすようなニュースが減り、年末モードに入った感が高まっている。その中でいくつかの方向性のあるトピックがあった。1つは「おもてなし」で、京都市が公衆Wi-Fiを強化、アプリックスは一般店舗などが手軽に外国人向けの情報を発信できるBeaconソリューションを提供するというものだ。サービス面では、NTTコミュニケーションズの格安SIM「OCN モバイル ONE」に待望の音声対応が登場、イリジウム衛星電話をスマホから使えるモバイルルーターも登場した。スマートニュースが広告に参入、ダイワボウ情報システムが日本通信と協業して通信サービスに参入といったニュースもあった。

進む「おもてなし」へのインフラ作り

まず「おもてなし」のニュースから。京都市は、公衆無線LAN整備事業である京都どこでもインターネット「KYOTO Wi-Fi」の強化を発表した。これまで利用時に入力の必要があったゲストコードの取得を不要にし、簡単な手続きで利用できるような新しいしくみを導入する。また、既存の659を含む約1400のスポットで2015年3月末までに無料のWi-Fiサービスを簡単に利用できるようにする。国内外からの観光客に対して、手軽に無料のWi-Fiを使って観光情報などを入手できる環境を提供する(関連記事:京都市が「KYOTO Wi-Fi」を強化、約1400カ所で簡単な認証により無料利用可能に)。

その名も「おもてなし」なのが、アプリックスIPホールディングスが提供するBeaconソリューション。同社は、Beaconを店舗に設置するだけでWebサイトやネット上の店舗案内を40カ国語以上に自動的に翻訳して配信できる「おもてなし Beacon」の提供を開始する。観光などで街歩きをする訪日外国人向けに、簡単に店舗の情報を案内できるソリューションとして、商店街やフランチャイズチェーン向けに提供する。おもてなし Beaconは、ユーザー企業側でのアプリ開発やサーバーへのデータ設定などの作業が不要で、Beaconが届いた日からすぐにサービスが提供できる(報道発表資料:アプリックスIPホールディングス アプリ開発不要、ビーコンを置くだけで集客向上「おもてなし Beacon」の提供開始)。

OCN モバイル ONEが音声対応、イリジウムはスマホから

サービス面のトピックを2つ。NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は、いわゆる格安SIMサービスの「OCN モバイル ONE」に、ユーザー待望の「音声対応SIMカード」を追加した。「音声対応SIMカード」は、「090」「080」「070」の携帯電話番号を使った音声通話が可能なサービス。既存の携帯電話、PHSの番号を移して利用するMNPにも対応する。料金は、「70MB/日」が月額1600円、「100MB/日」が同2080円、「2GB/月」が同1800円、「4GB/月」が同2150円、「500kbps(7GB/月)」が同2500円。データ通信専用SIMの料金に月額700円を加算した料金となっている。音声通話の料金は30秒ごとに20円。OCN光サービスを利用中のユーザーに対しては、「OCN光モバイル割」で1契約当たり月額200円を割り引く(関連記事:NTT Comの「OCN モバイル ONE」、音声対応SIMを月額1600円から、OCN光モバイル割も提供)。

スマートフォンとイリジウムGO!があれば、世界中で通信ができるようになる。KDDIは、イリジウム衛星を使った衛星通信を手持ちのスマートフォンやタブレットで可能にする衛星モバイルルーター「イリジウムGO!」を12月5日に発売した。

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衛星を使うため、海上など携帯電話の電波が届かない場所のほか、災害時などでも音声通話やデータ通信が可能になる。パスポートサイズの小型のボディーで、災害時の利用も想定してIP65の防水・防滴性能に加え、米国防総省が制定した軍事規格「MIL-STD-810F」に準拠した温度、湿度、耐衝撃、耐落下、耐振動などの性能を備える(関連記事:KDDI、スマホから衛星経由で通信できるモバイルルーター「イリジウム GO!」を発売)。

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通信サービスを軸に新しいビジネス展開

ビジネスの新展開の話題も2つ紹介する。スマートニュースは、同社が提供するスマートフォン・タブレット向けニュースアプリ「SmartNews」で、動画広告とネイティブ広告を軸とするモバイルニュース広告事業を開始した。動画広告の「SmartNews Premium Movie Ads」とネイティブ広告の「SmartNews Standard Ads」の2種類を提供する。同時に、ミクシィと共同開発を進めてきたネイティブ広告ネットワークの「SmartNews Ad Network」を始動。SmartNews Ad Networkにはグリー、サイバーエージェント、産経デジタル、ディー・エヌ・エー、毎日新聞社、ミクシィが参画し、mixiやその他のパートナーとネイティブ広告ネットワークを構築する(報道発表資料:スマートニュース、本日よりモバイルニュース広告事業を開始)。

ダイワボウ情報システム(DIS)は、日本通信のMVNO向け通信サービス基盤および回線管理プラットフォーム(MSP)を利用して、法人向けの通信サービス事業を提供する。サービス名称は「DIS mobile Powered by JCI」で協業し、2014年12月8日に提供を始める。DISでは日本通信のMSPを利用し、月額モデルに加えて年間パッケージの通信サービスなどを提供し、DISの約1万7000社の販売パートナーを経由して、法人向けにSIMロックフリー端末と通信サービスを組み合わせて提供する(報道発表資料:ダイワボウ情報システムと日本通信、法人向け通信サービスで協業 SIMロックフリー端末と組み合わせて提供 「DIS mobile Powered by JCI」

世界のトラフィックは一層ビデオに、歩きスマホで線路に転落も

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最後に調査のトピックを紹介しよう。エリクソン・ジャパンは、エリクソンが作成した「エリクソン・モビリティレポート」(2014年11月発行)について解説した。それによると、2020年までにモバイル加入者数は95億に達し、そのうち35億契約がLTE、61億契約がスマートフォンになると予測している。世界のモバイルトラフィック量は、2013年第3四半期から2014年第3四半期の伸びが60%に達し、今後は2014年から2020年に8倍の増加を見せるという。一方、トラフィック量の"伸び率"は低下する傾向にあるとの見方を示した。また、アプリケーションごとのトラフィックでは、2014年にはビデオのトラフィックが約45%であるのに対して、2020年には55%以上にまで伸びると予測する(関連記事:2020年末のモバイルは95億加入へ、トラフィックの増加率は減少傾向に--エリクソンレポート)。

MMD研究所は、歩きながらスマートフォンなどの携帯端末の操作をするいわゆる「歩きスマホ」の実態調査の結果を公表した。歩きスマホの経験者は1年前の調査よりも20ポイント以上も減少しているにもかかわらず、人やモノにぶつかったり怪我をしたりした経験者は1年前の8.8%から17.5%へと増加しているという。階段や駅のホームから落ちたという経験者も少数ながら回答があり、歩きスマホの危険性を改めて認識させられる数字が示されている(関連記事:歩きスマホ経験者は1年前より減少、衝突・怪我の経験者は増加--MMD研究所)。

昨年の第49週のできごと

・イー・アクセスとウィルコムが合併、ドコモ純増が回復
・Androidでは画面の大きさ、iPhoneでは画質の良さに高い満足度
・歩きスマホ防止対策、格安SIMに新版、ディスプレイ付き活動量計
・スマホを会社の電話に、ブラウザ間通信のプラットフォーム

[2013年第49週]イー・アクセスとウィルコム合併、求めるのは「バッテリー長持ち」、スマホで内線OK

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。