欧州の大手ケーブル事業者アルティス（Altice）がブラジル大手通信事業者Oi傘下のポルトガルテレコム（Portugal Telecom；以下、PT）の買収で、同社と間もなく合意に達しそうだとの話がBloombergなど複数の媒体で報じられている。

アルティスが欧州時間30日に発表した声明によれば、買収総額は74億ユーロ（92億ドル）で、これには業績に応じて支払われる5億ユーロも含まれているという。同買収が実現すれば、アルティスはポルトガル通信市場でボーダフォン（Vodafone）およびノス（Nos）に続く立場になる。ただし、アルティスはポルトガルですでにカボヴィサオ（Cabovisao）と オーニ（Oni）の2社のケーブル事業者を保有しており、有線・無線の両事業を持つPT買収にあたっては規制当局の承認を得るために一部事業の切り離しを行わなければならない可能性もあるという。

ポルトガルテレコムをめぐっては、アルティスによる最初の買収提案の後、プライベートエクイティファンドのアパックス・パートナーズ（Apax Partners）およびベインキャピタル（Bain Capital LLC）が対抗する買収提案を行っていた。

アルティスは、仏市場最大手のケーブル事業者、ニュメリケーブル（Numericable）などを傘下に持ち、今年4月には仏ビベンディ（Vivendi）から、仏携帯通信市場2位のSFRを170億ユーロで買収したことでも注目を集めていた。なお、同社のデクスター・ゴーエイ（Dexter Goei）CEOは先ごろ、フランス市場3位の携帯通信事業者であるブイグテレコム（Bouygues SA）についても、買収に関心があることを示唆していた。

【参照情報】
・Altice Enters Talks to Buy Oi Assets for $9.2 Billion - Bloomberg
・Altice SA in Exclusive Talks With Oi SA to Buy PT Portugal - WSJ
・Altice agrees €7.4bn Brazilian deal for Portugal Telecom unit - FT.com