米NSA、米国民を対象にした諜報活動の報告公開 - 12年間にわたって違法に情報収集
2014.12.26
Updated by WirelessWire News編集部 on December 26, 2014, 12:58 pm JST
2014.12.26
Updated by WirelessWire News編集部 on December 26, 2014, 12:58 pm JST
米国家安全保障局(NSA)が現地時間24日、2001年9月にあった同時多発テロをきっかけに始まった通信監視プログラムについて、2013年半ばまでの12年間に行っていた違法な諜報行為に関するレポートをリリースした。
今回のレポート公開は、米自由人権協会(American Civil Liberties Union)による情報公開の要請を受けるかたちで行われたもの。Bloombergなどによると、同レポートのなかには、NSA関係者による通信監視システムの誤用や意図的な悪用などに関する詳細な記録が記されてあり、なかにはNSA職員が秘密裏に配偶者の電話帳に登録された相手の氏名や電話番号を調べだしていた例や、犯罪などとは無関係な米国市民をスパイと勘違いして監視していた例、保存が認められていないデータをサーバーに保存していた例、アクセス権を持たない人物がシステムを利用していた例なども含まれているという。なお、これらのケースのなかには、NSA職員や契約社員が誤ってデータを収集してしまった例も多く、収集されたデータは後に破棄されたとされているという。
The Vergeでは、このレポートには修正が加えられた箇所が目立ち、違法な情報収集行為が全体としてどれくらい行われていたかなどは判別しずらいとしつつ、NSAによる違法な情報収集が年間数千回程度行われていたとする以前の報道に言及している。
なお、米連邦議会では現在、NSAによる諜報活動に制限を設けることも検討されているものの、現時点では新たな法案の通過など具体的な進展は見られていないという。
【参照情報】
・U.S. Spy Agency Reports Improper Surveillance of Americans - Bloomberg
・NSA releases 12 years of damaging oversight reports on Christmas Eve - PBS
・Merry Christmas! The NSA's gift is a list of all the times it wrongly spied on you - The Verge
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