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インドでコミュニケーションの中心になってきたメッセンジャーアプリ

2014.12.19

Updated by Hitoshi Sato on December 19, 2014, 00:44 am JST

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2014年11月27日、GlobalWebIndex (GWI)がインドでのメッセンジャーアプリの調査を公表したことを、「The Economics Times(インド)」が報じた。インドで利用されているメッセンジャーアプリのうち52%がFacebook傘下の「WhatsApp」を利用しており、2013年と比較して334%増加したことがわかった。

以下がインドでのメッセンジャーアプリの利用状況である。

▼インドで利用されいてるメッセンジャーアプリ
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(GlobalWebIndex発表2014年11月を元に作成)

Facebook傘下の「WhatsApp」は、半数以上のインド人が利用していることがわかった。また、中国のメッセンジャーアプリ「WeChat」の台頭が著しい。GlobalWebIndexによると、世界でインターネットを利用している人のうち23%が「WeChat」を利用しており、アジア太平洋地域では39%が利用しているとのことである。さらにインドでの「WeChat」利用者のうち64%がモバイルで買い物をしたことがある。また68%はいつもモバイルで写真をアップしており、58%が無料通話を利用していることがわかった。

インドでは2014年第3四半期でインターネットにアクセスした人のうち83%がモバイルからである。またインターネットにアクセスできる人のうち79%はスマートフォンを所有している。

そして、現在、世界のインターネット利用者のうち40%がメッセンジャーアプリを利用し、アジア太平洋地域のインターネット利用者のうち46%はメッセンジャーアプリを利用している。

メッセンジャーアプリは利用者が増加すればするほど、それに伴って利用者が増加する。友達や知人、会社の同僚などとのコミュニケーションのプラットフォームが従来のSMS(ショートメッセージ)からメッセンジャーアプリに移行してきている。またインドだけでなく世界中でスマートフォンが普及していることによって、メッセンジャーアプリ利用はこれからも増加することは間違いないだろう。

メッセンジャーアプリは基本的に無料でメッセージ、通話ができることが「ウリ」である。Facebook傘下に入った「WhatsApp」も赤字であることが先日判明した。多くのメッセンジャーアプリは無料で提供して、そこに集まった人にゲームやスタンプなどを販売することによって収益を上げていこうとしている。

メッセンジャーアプリは世界中で拡大し、コミュニケーション・プラットフォームの中心にはなったが、彼ら自身がどのように収益を上げていくか、その戦略が明確で、それに沿ったキャンペーンやマーケティングを行わないとただ利用者に無料で使われているだけになってしまう。5年後、いったいどこのメッセンジャーアプリが覇権を握っているのだろうか。

【参考動画】
インドでのWeChatの広告

インドでのViberの広告

インドでのLINEの広告

インドの地場のメッセンジャーアプリ「Hike」の広告

【参照情報】
Whatsapp most used messaging app in India, followed by Facebook Messenger: Study

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。