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Facebookが台湾にオフィス開設:APAC地域での広告収入拡大を目指して

2015.03.27

Updated by Hitoshi Sato on March 27, 2015, 15:11 pm JST

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Facebookは2015年1月29日、台湾にオフィスを開設した。台湾ではFacebookが広く普及している。人口約2,300万人の台湾でFacebookユーザーは1,500万人、そのうち1,200万人が毎日Facebookにアクセスしている。つまり台湾の2人に1人がほぼ毎日Facebookにアクセスして利用していることになる。

台湾のオフィスには20人のスタッフが働き、現地企業のFacebookを活用したマーケティング支援やアプリやソフトウェア開発支援のセミナーやワークショップも行っていく。

台湾のオンライン広告市場は年間市場規模140億台湾ドル(約550億円)。主要OTTプレーヤーとしては、Googleが2006年、楽天とアリババが2008年、LINEが2013年に台湾にオフィスを開設している。

Facebookは台湾の他にもAPECではシンガポール、日本、オーストラリア、インドネシア、インドなどにオフィスを開設して事業展開を行っている。

Facebookは2015年1月28日、2014年第4四半期(10~12月)の決算を発表した。売上高は前年同期と比べ49%増加の38億5,100万ドルとなった。米国会計原則(GAAP)ベースの純利益は7億100万ドルで前年同期から34%増加した。

Facebookのビジネスモデルは完全に広告に依拠している。ユーザー1人あたりの広告売上は北米ではユーザーあたり平均広告売上は前期の6.64ドルから8.26ドルへと非常に大きく成長しているが、APAC地域では1.21ドルとまだ少ない。もっともAPAC地域はインドやインドネシアといった利用者数が多いわりに収入が少ない国が多いので、北米(アメリカとカナダ)と比較するとまだ小さい。APAC地域の各国において、利用者増に比例した広告収入が確保できる体制の確立が必要であることは間違いない。

▼Facebookの地域別の1人あたり売上の推移(Facebook2014年Q4決算資料より)

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【参照情報】
Facebook launches office in Taiwan

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。