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[2015年第4週]au春モデルが発表、ソフトバンクの合併、格安SIM満足度首位はIIJmio

2015.01.26

Updated by Naohisa Iwamoto on January 26, 2015, 14:30 pm JST

キャリアのトピックが週の最初と最後を飾る1週間だった。週明けはKDDIのau 春モデルの発表会からスタート。「吊るし」のグローバル端末でなく、国内のユーザーにフィットするモデルを揃えた点に注目したい。週の最後は、ソフトバンクグループの通信4社が合併し、新生ソフトバンクモバイルが誕生するニュースで締めくくられた。格安SIMの利用実態調査で、シェアはOCN モバイル ONE、満足度はIIJmioがそれぞれ首位というトピックもあった。

バリエーション豊富なau 春モデル、パナから「高級コンデジ+スマホ」

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まず、端末関連のトピックから見ていこう。KDDIは、春モデルの新製品と「auの学割」などの施策を発表した。新製品はスマートフォンが「INFOBAR A03」(京セラ製)、「AQUOS SERIE mini SHV31」(シャープ製)、シニア向けの「BASIO KYV32」(京セラ製)、ジュニア向けの「miraie KYL23」(京セラ製)の4機種。Android OSを採用した折りたたみ式のLTEケータイ「AQUOS K SHF31」(シャープ製)、フィーチャーフォンの「GRATINA2」(京セラ製)も同時に発表し、幅広いユーザー層に「選べる自由」を訴求する。auの学割は、新料金プランの「カケホとデジラ」の場合は最大1500円が毎月割り引かれるというものだ(関連記事:KDDI、INFOBAR新作から"ガラホ"まで、選べる春モデルを発表)。

インパクトのある製品の国内発売のニュースもあった。パナソニックは、1.0型の大型MOSセンサーを搭載したコンパクトデジタルカメラ「Lumix DMC-CM1」を、国内で発売すると発表した。LTE通信機能を備え、Android を搭載したデジタルカメラで、写真の編集やオンライン保存、SNSへのアップなどがスマートフォンと同様に手軽に行える。デジタルカメラとしては2010万画素で1.0型と大型のMOSセンサーを採用し、F2.8 LEICA DC ELMARITレンズを搭載する高級コンパクトカメラ。本体上面にあるカメラ切換スイッチをスライドすることで、LTE対応のAndroid端末として利用できる(関連記事:パナソニック、AndroidとLTE通信機能を搭載したデジタルカメラを国内で限定発売)。

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ソフトバンクの大合併、ドコモの「学割」もスタート

続いて、キャリア関連のニュースを見ていこう。ソフトバンクは、同社の4社の子会社の合併を取締役会で決議したと発表した。合併するのは「ソフトバンクモバイル」「ソフトバンクBB」「ソフトバンクテレコム」「ワイモバイル」で、4月1日に合併する計画だ。

【報道発表資料】当社子会社間の合併に関するお知らせ
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合併はソフトバンクモバイルを存続会社とする吸収合併方式で、合併後の商号もソフトバンクモバイルを引き継いで利用する。合併後も既存のブランドは維持する予定で、移動通信サービスでは「ソフトバンク」「Y!mobile」が併存することになる(関連記事:ソフトバンクモバイル、ソフトバンクBB、ソフトバンクテレコム、ワイモバイルが4月1日合併、新ソフトバンクモバイルに)。

ソフトバンク、KDDIに続き、NTTドコモも今年の「学割」をアナウンスした。25歳以下の利用者とその家族を対象にしたキャンペーン「U25応援特割」で、2015年1月30日から5月31日まで実施する。MNPを含む新規契約をした25歳以下の利用者が、「カケホーダイプラン(スマホ/タブ)」「U25応援割」「シェアパック」を契約すると、最大1年間にわたりカケホーダイプランの利用料金を毎月1850円割り引く。また、U25応援特割を適用された利用者の家族も新規契約(MNP含む)すると、最大1年間、カケホーダイプランの利用料金が1350円割り引かれる(関連記事:25歳以下のお客さまとご家族を対象としたキャンペーン「U25応援特割」の実施)。

KDDIは「au Wi-Fi SPOT 国際ローミング」の利用料金が、通常の1日上限1480円から上限500円へと引き下げられる「auで海外Wi-Fiワンコインキャンペーン」を実施する。北米、アジア、ヨーロッパなど海外100以上の国・地域の提携事業者でWi-Fiを利用できる。キャンペーンは、2015年2月1日から5月31日まで(報道発表資料:1日最大500円でau Wi-Fi SPOT国際ローミングが使える!「auで海外Wi-Fiワンコインキャンペーン」の実施について)。

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格安SIMの認知は半数近くに、激安スマホセット登場

格安SIMの認知や利用に関する実態調査の結果が公表された。移動体通信・IT分野専門の調査会社であるMCAが実施した「格安SIMの認知・利用に関するアンケート調査」だ。それによると、「格安SIM」の認知率は44.6%。男性に限れば59.1%と6割近い認知があるものの、女性の認知は27.5%にとどまった。

「格安SIM」の認知率は44.6%、男女間で認知状況に30ポイントの開き
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格安SIMの利用者シェア1位は「OCN モバイル ONE」(NTTコミュニケーションズ)。以下「IIJmio」(インターネットイニシアティブ)、「BIGLOBE LTE・3G(うれスマ)」(ビッグローブ)、「BIC SIM」(ビックカメラ)、「b-mobile」(日本通信)と続いた。格安SIM利用者シェア上位5サービスにおける満足度評価は「IIJmio」が1位だった(報道発表資料:「格安SIM」の認知率、男性は59.1%、女性は27.5% 格安SIM 利用者シェア1位は「OCN モバイル ONE」、シェア上位5サービスにおける満足度評価1位は「IIJmio」〜MCA調べ)。

格安スマホのイニシャルコストを下げたい人に朗報。「goo」を運営するNTTレゾナントは、SIMフリースマートフォン「Polaroid pigu」とNTTコミュニケーションズのSIM「OCN モバイル ONE音声対応SIM」をセットにして、4980円(税込み、送料無料)で販売すると発表した。NTTレゾナントによれば、「SIMフリー業界最安値」での販売となるという。SIMフリースマートフォンのPolaroid piguは、3.5インチのディスプレイを備えた小型スマートフォン。セットになるOCN モバイル ONE音声対応SIMは、1日70MBまでの高速データ通信が可能な「OCN モバイル ONE 70MB/日コース」を利用した場合に、月額基本料金が1600円(税抜き)(関連記事:NTTレゾナント、SIMフリースマホと格安SIMをセットにして4980円で販売

SIMフリースマホへの不安を払拭するための試みが始まる。ヤフーは、「ヤフオク!」および「Yahoo!ショッピング」で購入した中古のスマートフォンなどが故障、紛失したり、盗難に遭ったりした際に、補償金を支払う「中古スマホあんしん補償」の提供を開始した。利用料は月額500円で、2015年7月20日までに申し込んだ場合には月額300円になるキャンペーンを実施する。補償に加入できるのは「ヤフオク!」や「Yahoo!ショッピング」で落札または購入した末で、スマートフォン、タブレット、ルーター、電子書籍端末、従来型携帯電話が対象となる。キャリアは問わない(関連記事:SIMロック解除時代を先取り、中古スマホの補償サービスをYahoo!が提供)。

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法人向けの端末管理、Wi-Fi構築のサービス

このほか、法人を対象としたサービスのトピックもあった。1つは、ワイモバイルが開始するスマートフォンやタブレットを一元管理できる法人向けサービス「デバイスマネジメントサービス」。このサービスを導入することにより、企業では端末管理者の業務負担と、利用する社員の設定作業の手間を大幅に軽減できる。

「デバイスマネジメントサービス」 サービスイメージ図
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2015年3月31日までに登録が完了した場合に、IDごとに月額500円の基本サービス)と、同月額200円のオプションサービスが、申込みから3カ月にわたり無料になるキャンペーンを実施する(報道発表資料:法人向けスマートフォン・タブレット一元管理サービス「デバイスマネジメントサービス」の開始とキャンペーンの実施について)。

もう1つはビッグローブが提供を始めた、オフィスや店舗に手軽にWi-Fi利用環境を構築できる「BIGLOBE Wi-Fiオフィス」。設定に専門的な知識を必要としないほか、料金も月額2980円(税抜き)と低い設定にしており、中小規模の企業や部門単位でも導入が容易という。アクセス回線にはNTT東日本がOEM提供する「ギガらくWi-Fi」を利用し、最大1.3Gbps (IEEE802.11ac対応)の高速無線通信が可能だ(報道発表資料:簡単な作業でWi-Fi環境を構築できる「BIGLOBE Wi-Fiオフィス」の提供について)。

昨年の第4週のできごと

・第4世代、エッジコンピューティング、8K--将来に向けたニュース
・「音声とパケットのパック」など新しい料金プラン
・KDDIは春モデル5機種、ソニーはテニスセンサー
・KDDI ∞ Labo最優秀は「オークション」、タクシー呼び出しアプリ登場

[2014年第4週]第4世代ヒアリングに4社参加、ソフトバンクがスマホ新プラン、KDDI春モデル

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。