アイオワ州は2015年にスマートフォンの運転免許証アプリのテストを行う。カード型の免許証をアプリに置き換えてしまうというのではなく、例えば免許取得から実際の免許証が郵送されるまでの期間に、免許証の代わりに使用する(現在は書類を発行)など暫定的な用途が想定されているが、将来的には免許証の完全な代替に使うことも考えられているようだ。自動車保険の加入証明については多くの州でスマートフォンで保険会社のアプリの画面を警官に提示することが認められているが、免許証そのものをアプリにしている州は他にない。
物理的な免許証は盗難や偽造の危険があるが、スマートフォンならば生体認証と組み合わせることもできるし、発行するための時間やコストの削減にもつながるというメリットもある。一方で、「スマートフォンが故障したり電池切れになったらIDカードとして使えなくなる」「警官に車を止められて尋問されている際にスマートフォンで録音したり、弁護士に電話したりできなくなる」「警官にスマートフォンを渡したら免許アプリ以外も見られてしまう」など、さまざまな懸念も表明されている。
免許証は写真付きIDとして利用されることも多く、その時は警察官やアルコールを販売する人が顔写真と顔を見比べて確認している。スマートフォンの運転免許証アプリであれば、オンライン認証なども容易になり精度が高まるなど、ポジティブな面もいろいろあるようだ。オンラインショッピングをはじめ、民間で提供されているさまざまなサービスの認証に活用することも可能かもしれない。
【参照情報】
・Iowa to launch smartphone driver's license
・Coming Soon To Iowa: Driver's License On A Smartphone App
・Digital wallet closer to reality as Iowa plans smartphone driver's license launch
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