米ネットワーク中立性の新ルール案、FCCでの投票を控えて一部修正の可能性(The Hills報道)
2015.02.25
Updated by WirelessWire News編集部 on February 25, 2015, 18:57 pm JST
2015.02.25
Updated by WirelessWire News編集部 on February 25, 2015, 18:57 pm JST
米連邦通信委員会(FCC)が26日に開催する会合での投票決議を予定している「ネットワーク中立性」("Net Neutrality")関連の新ルールについて、民主党系のミニョン・クライバーン(Mignon Clyburn)委員がルールの適用範囲などについて内容の一部変更を求めているという。
「ネットワーク中立性」に関する新ルールの検討を進めてきたFCCでは2月上旬に、トム・ウィーラー(Tom Wheeler)委員長がネット接続事業(ISP事業)を電話などと同じ「公益事業」に分類し直すという考えを明らかにしていた。26日に予定される次の会合では、この案を正式に採択するかどうかの投票が行われる見通しとされている。
この話を伝えたThe Hillsによれば、クライバーン委員が変更を求めているのは、ISP事業者とコンテンツ事業者との相互接続("interconnection")に関連する部分。現行案では、ISP事業者による一般加入者(ネットユーザー)へのサービス提供部分とは別に、ネットフリックス(Netflix)のようなコンテンツ提供者とコムキャスト(Comcast)のようなISP事業者との相互接続部分について、「ブロードバンド加入者アクセスサービス」("broadband subscriber access services")という新カテゴリを設けてFCCが監督にあたるとされているが、このカテゴリ新設は不要ではないかというのがクライバーン委員の考え。またグーグル(Google)や権利団体のフリープレス(Free Press )などでも同委員と同じ見解を示しているとArs Technicaでは指摘している。
The Vergeでは、現行案の新カテゴリ設定について、一般加入者向けのB2C部分と相互接続のB2B部分を分けてしまうと、ISP事業者につけ込む機会を与えかねないとする懸念がグーグルなどから出されているとした上で、FCCにとっては当該部分の削除はさほど大きな問題とならないかもしれないと記している。
それとは別に、FCCのトム・ウィーラー(Tom Wheeler)委員長の提案では、ISPに対し「消費者やコンテンツプロバイダーを害するべきではない」という文言での制限を課すことを想定しているものの、クライバーン氏は以前から使用されてきた「(トラフィックの)不当な差別をしてはならない」というより解釈の余地がある表現を求めているという。
なお、FCCはウィーラー氏を含めた3人の民主党委員と、2人の共和党委員から構成されており、新たなルール提案には共和党側の反対が予想されるため、決定にはクライバーン氏の支持が不可欠。このため、今後ウィーラー氏は変更を受け入れるか、クライバーン氏を説得するかのいずれかを行わければならないと見られている。
【参照情報】
・Democratic FCC commissioner balks at net neutrality rules - The Hill
・Net neutrality order could get last-minute change on peering disputes - Ars Technica
・Democratic FCC commissioner reportedly has some problems with net neutrality proposal - The Verge
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