グーグル（Google）がインド生まれのモバイル広告会社インモビ（InMobi）の買収に向け、同社との交渉に着手したとする情報筋の話を複数の媒体が報じている。

インモビは2007年に創業されたモバイル広告会社で、iOSやAndroid、Windows Phoneなどの端末に広告を配信。WSJによると現在17ヶ国に拠点を構え、従業員数は900人以上。またReutersでは、インモビが世界200か国10億人以上のモバイル端末ユーザーに広告を配信しているとしている。同社にはこれまでソフトバンクやクライナー・パーキンス（Kleiner Perkins Caufield & Byers）、シャーパロ・ベンチャーズ（Sherpalo Ventures）などが資金を提供してきている。

両社の交渉はまだ初期段階で、交渉がまとまらない可能性も残されている。インドの経済紙サイトEconomic Timesでは、まもなくグーグルによる技術面のデューディリジェンスが始まるとしている。

インモビの評価額については、インモビが新たに進める資金調達で20億ドル以上を提示しているとEconomic Timesが伝えるいっぽう、WSJでは25億ドルとするダウ・ジョーンズ（Dow Jones）の「VentureSource 」の見方を引用、またReutersでは10億ドル前後になる可能性があるとする情報筋の話が紹介されている。

調査会社イーマーケター（eMarketer）によれば、世界のモバイル広告費は昨年、主要5カ国（英国、日本、中国、ドイツ、英国）の合計で402億ドルに達したといい、この数字は2018年までに1590億ドルまで拡大すると予想されている。このようななか、グーグルのモバイル広告シェアは縮小しつつあり、2012年に52.6%を占めていた同社のシェアは、2014年には46.8%に縮小。いっぽうで、2012年5.4%であったフェイスブックは2014年に21.7%まで拡大していた。

【参照情報】
・Google in Early Talks to Buy Indian Mobile Ad Firm InMobi - WSJ
・Google in talks to buy Indian startup InMobi: source - Reuters
・Google in talks to buy mobile advertising network InMobi to counter Facebook's ad dominance - Economic Times