マイクロソフト、今年夏に「Windows 10」リリース - 海賊版ユーザーにも無償アップグレード提供へ(Reuters報道)
2015.03.19
Updated by WirelessWire News編集部 on March 19, 2015, 12:48 pm JST
2015.03.19
Updated by WirelessWire News編集部 on March 19, 2015, 12:48 pm JST
マイクロソフト(Microsoft)が米国時間17日、開発中の「Windows 10」OSを今年夏に190ヶ国でリリースすることを発表。またこのリリースにあたって、現在海賊版のコピーを利用してるWindowsユーザーにも無償のアップグレードを提供する考えであることも明らかになった。
今回の発表は、マイクロソフトのOS部門を率いるテリー・メイヤーソン(Terry Myerson)氏が18日に中国の深センで行われたイベントのなかで行ったもの。「Windows 10」へのアップグレードについては、今年1月に「Windows 7」「Windows 8.1」「Windows Phone 8.1」のユーザー向けに無償アップグレードが提供されることが明らかになっていたが、海賊版ユーザーも対象に含めたアップグレード提供は異例の動きだと、この話を伝えたReutersでは記している。
今回の発表が中国でのイベントで行われた背景には、同市場でのWindowsシェア拡大と、海賊版対策の両方を狙いたいマイクロソフトの思惑があるとされている。Reutersでは、中国で使われているPCソフトウェアの約75%が違法コピーとする最近の研究結果や、「マイクロソフト製ソフトウェアのユーザーのうち、実際に料金を支払っているのはわずか10%」とするスティーブ・バルマー(Steve Ballmer)元CEOの2011年の発言などを紹介している。
マイクロソフトはここ1年ほど、モバイル端末向けOfficeアプリなどを原則無料で提供し、「Office 365」をはじめとするウェブサービスなどで課金(マネタイズ)するという一種のフリーミアム戦略に事業の軸足をシフトしつつある。またその流れの一環として、低価格端末向けWindowsの無料化も実施している。今回発表された海賊版ユーザーへの「Windows 10」アップグレード無償提供もこうした動きの延長線上にあるものとみられる。
メイヤーソン氏によれば、マイクロソフトは中国での「Windows 10」展開にあたり、世界PCシェアで 1位のレノボ(Lenovo)、中国の大手セキュリティ企業の奇虎360(Qihoo 360 Technology Co)、中国最大のSNS「QQ」などを提供するテンセント(Tencent Holdings)と協力していく予定だという。
さらに、マイクロソフトは中国でシャオミ(Xiaomi)製モバイル端末を利用する一部のユーザーに、「Windows 10」テスト版のROMを提供することも明らかにしている。
【参照情報】
・Windows 10 to launch this summer in 190 countries and 111 languages around the world - Microsoft
・Microsoft tackles China piracy with free upgrade to Windows 10 - Reuters
・Windows 10 will be free for software pirates - The Verge
・Microsoft will offer free Windows 10 upgrades to pirates worldwide - VentureBeat
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