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[2015年第12週]データ増量、Xperiaも登場──進化する格安SIM、格安スマホ、訪日外国人向け「NINJA SIM」

2015.03.23

Updated by Naohisa Iwamoto on March 23, 2015, 11:30 am UTC

春商戦は3大キャリアだけのものではないことを実感するほど、いわゆる格安SIM、格安スマホの動きが活発になっている。4月1日から、主要なMVNO事業者のうち4社は高速データ通信が可能なデータ通信量を増量し、3大キャリアの新料金プランの最低プランである「月間2GB」を超えた「月間3GB」前後を月額1000円程度の料金で提供を始める。このほか、訪日外国人向けのプリペイドSIMの提供、220MbpsのWiMAX 2+の開始、KDDIによる健康チェックサービスの提供など、新しい取り組みの話題も豊富な一週間だった。

春に注目、格安SIM、格安SIMの動向

MVNO(仮想移動体通信事業者)が提供するいわゆる「格安SIM」の使い勝手が、4月1日を機に一段と向上する。主要4社が4月1日から高速データ通信量の増量を2015年3月18日までにアナウンスし、データ通信専用のプランでは月額1000円以下でも月間3GBの高速データ通信が利用できるようになる。

高速データ通信の増量をアナウンスしている主なMVNOのサービスは、インターネットイニシアティブ(IIJ)の「IIJmio 高速モバイル/Dサービス」、フュージョン・コミュニケーションズの「楽天モバイル」、NTTコミュニケーションズの「OCN モバイル ONE」、IIJグループのハイホーの「hi-ho LTE typeD」。スマホ端末を含まないデータ通信専用のSIMで、いずれも月額1000円前後の基本的なプランの高速データ通信容量を、3月までの月間2GB前後から4月以降は3GB前後へと増加させる。料金もデータ通信容量も、格安SIM、格安スマホによりメリットがある時代が到来した(関連記事:「格安SIM」のデータ通信量が4月から増量へ、1000円で月間3GBが標準に)。

格安スマホの名を広い世代に広めた立役者の1人が「イオンモバイル」だろう。そのイオンモバイルを提供するイオン、イオンリテールは、イオンモバイル 2015春夏モデルのラインアップを発表した。

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イオンスマホの新製品は、デザインと高速データ通信使い放題のプランを採用する「VAIO Phone VA-10J」、米国防総省の耐衝撃規格に準拠する「KYOCERA S301」、モバイルWAONが使えるおサイフケータイ対応の「Xperia J1 Compact」の3モデル。価格だけではないそれぞれの"こだわり"を持ったスマホ買い替えユーザーにも満足してもらえるように、日本ブランドのスマホをラインアップした。また、学研とコラボレーションした学習用途向けのタブレット「学研がんばるタブレット」も発表した(関連記事:イオンモバイル、スマホ買い替え層に向けて日本ブランドの「こだわりスマホ」をラインアップ)。

「格安」でもファミリー割引が提供される。インターネットイニシアティブ(IIJ)は、同社のモバイルデータ通信サービス「IIJmio高速モバイル/Dサービス」の音声通話付きSIMカード(みおふぉん)で、家族間の通話が20%割引になる「ファミリー通話割引」の提供を開始した。いわゆる「格安SIM」を提供するMVNO(仮想移動体通信事業者)の中で、ファミリー割引を導入するのは初めてとIIJでは説明する。またIIJは、4月1日に通話料金が従来の半額になるアプリ「みおふぉんダイアル」の提供を開始する。ファミリー通話割引とみおふぉんダイアルを併用すると、国内の家族間の通話が30秒ごとに8円(税別)となり、最大60%の割引になる(関連記事:IIJ、家族間の通話が20%割引になる「ファミリー通話割引」をIIJmioで開始)。

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訪日外国人むけプリペイドSIM、WiMAX 2+のCA 220Mbpsが開始

サービス面の新しい取り組みも各方面で広がっている。訪日外国人などを主な対象としたプリペイド型データ通信専用SIMカードとして、ビッグローブが「BIGLOBE NINJA SIM」の提供を開始した。成田店などのイオン11店舗と東京セントラルユースホステルで販売する。1GB(2700円)、3GB(4500円)、7GB(7300円)の3つのプランを用意しており、1GB単位での追加チャージ(2000円)も可能です。有効期間は30日間。英語、中国語、韓国語、日本語の4カ国語で電話サポートサービスを提供する。今後は、量販店など販路の拡大を計画している(報道発表資料:訪日外国人向けプリペイドSIM「BIGLOBE NINJA SIM」の販売を開始)。

200Mbps超の高速データ通信が利用可能に。UQコミュニケーションズは、モバイルWi-Fiルーター「Speed Wi-Fi NEXT W01」(ファーウェイ・ジャパン製)で、キャリアアグリゲーション(CA)によるWiMAX 2+の下り最大220Mbps対応を可能にするソフトウエアの提供を2015年3月19日に開始した。CAによる220Mbps対応は、栃木県真岡市周辺で開始していたが、3月31日から約1週間で全国37都道府県の一部に拡張する。KDDIが発売している「Speed Wi-Fi NEXT W01」でも、同様にソフトウエアのアップデートが提供されて220Mbpsへの対応が行われた(報道発表資料:「Speed Wi-Fi NEXT W01」の下り最大220Mbps対応について)。

Wi-Fiのインフラ拡充に新施策。ワイヤレスゲートは、コミュニティWi-Fi「FON」を運営するFon Wireless Ltd.(以下FON)と、その日本法人フォン・ジャパンと、日本のWi-Fiインフラ拡充に向けた取り組みを開始する。

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ヨドバシカメラで販売を開始したFONルーター「Fonera mini」を自宅に設置したワイヤレスゲート会員は、ワイヤレスゲートが提供する国内約4万カ所のWi-Fiスポットに加え、FON会員としてFONが保有する世界で1400万カ所以上の「FON」Wi-Fiスポットも無料で利用できるようになる。また、Wi-Fiスポット収益化の取り組みとして、移動販売車向けプラットフォーム「M-Store Platform」にFONルーターを活用した移動販売者向けのWi-Fi環境構築支援を提供する(関連記事:ワイヤレスゲートとFONが提携、Wi-Fiスポット収益化への取り組み発表)。

野球ファンにはたまらないサービス。ソフトバンクモバイルは、プロ野球パシフィック・リーグ球団主催の公式戦全試合をライブ配信する「パ・リーグLIVE」の提供を始める。パ・リーグの公式戦が始まる2015年3月27日から、ソフトバンクモバイルのスマートフォン、タブレットで利用できる。ソフトバンクモバイルの料金プラン「スマ放題」のデータ定額パック・標準プラン以上を利用しているユーザー向けの特典として提供し、月額利用料などは無料。ライブ配信だけでなく、追っかけ再生や過去1週間分の試合をアーカイブから視聴できる機能も備える。特典の対象外のユーザーに対しては今後、有料で提供する予定という(報道発表資料:パシフィック・リーグ球団主催の公式戦全試合をライブ配信! 「パ・リーグLIVE」を提供開始)。

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健康、安全、利便性へ向けた取り組み

このほか、この週の主なトピックを紹介する。KDDIは、健康診断未受験者対策としてセルフ健康チェックサービス「スマホdeドック」の提供を開始する。専用の在宅検査キットを使った検査と、スマートフォンやパソコンから検査結果を確認できるWebサービスを組み合わせたもので、第一弾として「血液検査サービス」を2015年夏に始める計画だ。

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KDDIでは、健康診断を受診する時間が取れなくても在宅で気軽に健康チェックができるサービスを提供することで、ヘルスケア分野での課題解決を目指す。サービスの開始に先立ち、2015年4月中旬から2016年3月末まで、全国の20市区町村、2健康保健組合と提携して、対象の市民、社員の合計24万人にスマホdeドックの無料利用を案内する(関連記事:KDDI、在宅検査キットとスマホで結果確認をセットにした「スマホdeドック」を提供開始)。

青少年の安心・安全なスマートフォン利用への取り組み。ソフトバンクモバイルとNPO法人 企業教育研究会は、青少年が安心・安全にスマートフォンを利用するための映像付き新教材「みんなで考えよう、ケータイ・スマートフォン」を制作した。学校の授業やPTA・保護者会、地域の勉強会などでの活用できる教材として制作し、全国の学校教育機関やPTA、地域の協議会などへ順次配布する。内容は、メッセージアプリの使い方や、ネットいじめ、スマートフォンの長時間利用、歩きスマホなど、最近社会問題となっているテーマに焦点を当てた(報道発表資料:青少年の安心・安全なスマートフォン利用のための映像付き新教材を制作)。

スマートフォンアプリでコールセンターの問合せを便利に。ソニーモバイルコミュニケーションズ、ボイスネクスト、もしもしホットラインの3社は、スマートフォン用のアプリを活用したコールセンター支援事業を提供する新会社のモバイルセレクトを4月1日に設立する。2015年上期にサービス提供を開始する計画だ。Xperiaにプリインストールしたアプリ「モバイルセレクト」を使うと、アプリに登録してある電話番号に発信した際に、電話番号に応じてカスタマイズされたメニューをスマートフォン画面上に自動的に表示できる。画面上のメニューを選択することで、適切なオペレーターに電話をつないだり、商品や使い方の説明のWebサイトに誘導したりすることができ、利用者の利便性向上とクライアント企業のコールセンター業務の効率化などにつなげたい考えである(関連記事:ソニーモバイルなど、スマホ用アプリを活用したコールセンター支援事業)。

昨年の第12週のできごと

・アプリックスは小型のビーコン製品、ACCESSはビーコンモジュールの新版
・子育ても親の見守りもスマホがサポート
・OCN モバイル ONE値下げ、dヒッツに新サービス、LINE電話始まる
・KDDI、800MHz帯のLTEが99%に、スマートパスは1000万突破

[2014年第12週]ビーコンをより使いやすく、赤ちゃんからお年寄りまでスマホが支える

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。